人生はいつも準備不足の連続だ
こんにちは。サイバーコネクトツー取締役の西川裕貴です。
気づけば2023年も4月となり、春風が気持ちの良い季節となりました。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
サイバーコネクトツーでは、先日「入社式」を行いました。
入社式には役員やマネージャーの挨拶コーナーがあるのですが、私は毎年「ある言葉」を新入社員に贈っています。
それは、
“人生はいつも準備不足の連続だ
常に手持ちの材料で前へ進む癖をつけておくがいい”
です。
赤松健先生の作品『魔法先生ネギま!』の登場人物「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル」のセリフであり、私が人生の真理だと思っていることのひとつです。
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■準備不足
そう……あれは、2004年の終わり頃。
バンダイナムコエンターテインメント(当時:バンダイ)とCC2との間で、『ナルティメットポータブル』のプロジェクト化に向けた打ち合わせが、急ピッチで行われていました。
ただCC2では既に『ナルティメットヒーロー3』と『.hack//G.U.』の開発が進んでおり、『ナルティメットポータブル』にディレクター経験者をアサインするのが難しい状況でした。
そんなある日、私は代表の松山に呼ばれてこう言われました。
松山:お前、将来ディレクターになりたいって言ってたよな?
『ナルティメットポータブル』のディレクション、やってみるか?
西川:(……なんと! これはすごいチャンスだぞ)
思いがけないチャンス到来に心を躍らせつつも、同時に不安が脳裏に浮かびました。
西川:(……でも、まだ準備が整ってない)
確かに「ディレクターになりたい」のは事実でしたが、それはまだ遠い先の未来というか、準備(開発経験を十分に積む、ディレクションスキルを身につける、等)ができたらいつかチャレンジしたい……みたいな漠然とした目標でした。
また当時の私はかなりの慎重派で、RPGを遊ぶ時も「絶対に勝てる準備(LVや装備)ができてからボスを倒しに行く」みたいな性格でした。
そのため、準備不足の状態でディレクターという大役を引き受けた場合、自分にとってかなり難易度の高いチャレンジになる予感がしていました。
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■わずかな勇気
松山の鋭い眼光を浴びながら、私は頭の中で考えを巡らせました。
西川(自信が無いし……今回は断るか?)
西川(……でも、こんなチャンス、“次”があるか分からない)
西川(どうする……? GOする……?)
散々悩んだ結果、私からの返事は「やらせてください!」でした。
とても不安はありましたが、自分の力がどこまで通用するか試してみよう……という気持ちが少しだけ勝ったのが判断の決め手でした。
そんなこんなで私の初ディレクション『ナルティメットポータブル』の開発が始まったのですが、やはりゲーム制作は甘くなく、最初から最後までピンチの連続でした。
それでも、その時の自分にできる精一杯のことをやり続けていったのと、たくさんの方にお力添えいただいたおかげで、ゲームを完成させることができました。
たくさんの失敗や反省はありましたが、その分、大きく成長することができました。
あの時(松山から呼ばれた時)、わずかな勇気を振り絞って本当に良かったと思っています。
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■一歩前へ
……そういった私の実体験をもとに、入社式で新入社員の皆さんに下記のお話をさせていただいています。
このブログを読んでいただいている皆さんの人生においても、色んなチャンスとピンチがあるかと思います。
その際、どうしようか悩まれた時は「この言葉」を思い出してもらえたら嬉しいです。
“人生はいつも準備不足の連続だ
常に手持ちの材料で前へ進む癖をつけておくがいい”
「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル」
サイバーコネクトツー 取締役
西川裕貴
※そもそも「西川」って何者?……という方は、こちらの記事をチェック。