避難訓練
みなさんこんにちは
和歌山市で放課後等デイサービスの運営サポートとメンタルヘルスケアを行なっている臨床心理士・公認心理師の大浦政幸です。わたしたち株式会社Mind Compassは、ノーマライゼーションの実現を目指して活動しています。
先日、日向灘で大きな地震があり、そこから1週間は南海トラフ地震の危険性が高まっているため、十分な注意が必要だと発表がありました。それを受けて、災害対策として備蓄品の確保、避難経路の確認、避難訓練など大急ぎで準備等をされた施設も多いのではないでしょうか。
災害時に備えるために、利用者の方と一緒に避難訓練をおこなうこともとても大切ですね。放課後等デイサービスガイドラインにも
と書かれており、消防法において年2回以上の実施が義務づけられています。
さて、それでは利用者の方と共にする避難訓練はどのような内容で行っているでしょうか。
各施設や利用者の方の障害状況などによって実施する内容は変わってくるかと思いますが、基本的には地震など災害が発生したときの最初にするべき行動、避難経路の確認、実際に避難先に避難してみる、などが多いのではないでしょうか。
地震が発生した場合、まず机やいすの下に隠れる、倒れそうなものや窓のそばから離れる、支援者はドア等を開ける、など身を守る行動が大切ですね。そのときに、なかなか動くことができないでいる利用者の方もいるでしょうし、サイレンが苦手で固まってしまう利用者の方もいるだろうと思います。そのため、ただ「地震が起こりました」と伝えるよりも、緊急地震速報の音源を鳴らしてみる、などできるだけ実際の状況に近づけた訓練をおこない、実際の場面でパニックにならないために少しでも慣れておくことが必要です。
避難経路を確認することもとても大切です。施設の中からどうやって外に出るのが安全か、避難先までどの経路で歩いていくのか、利用者の方も含め確認しておきましょう。そして、できるだけその確認した経路をみんなで歩くことも必要です。実際に集団で歩いてみると思わぬことに気づくこともあるからです。避難先に行くまでに車道の横を通ったり、横断歩道を渡ったりすることも必要かもしれません。階段や歩道橋を歩く必要があるかもしれません。そんなとき、数人であれば行動しやすいですが、みんなで一緒になると渡り切れなかったり、安全面に不安が出てきたり、そんな気づきが得られると思います。特に集団で移動するのに慣れていないと、蛇行して歩いて自転車にぶつかりそうになってしまった、などの危険もあるかもしれません。
こうして、一つ一つの危険性を確認し、実際に大きな地震が起こった時に支援者がいかに冷静に、落ち着いて行動できるか、利用者の方ができるだけパニックにならず指示を聞くことができるか、を身につけておきましょう。本当に大きな地震が起こった時には、支援者であってもパニックになると思います。そのためにも、普段から意識して取り組んでおくことはとても重要ですね。