行動観察シートを作ってみました
みなさんこんにちは
和歌山市で放課後等デイサービスの運営サポートとメンタルヘルスケアを行なっている臨床心理士・公認心理師の大浦政幸です。わたしたち株式会社Mind Compassは、ノーマライゼーションの実現を目指して活動しています。
さて、本日はこれまで行動についてお話させていただいている中で、具体的にどうやって行動を考えていったらいいのだろう、という疑問から、行動を観察するためのシートを作成してみました。特に「気になる行動」について焦点を当てたもので、どうしてもすぐに注意してしまいそうなものについてお使いいただければと思っています。
作ったばかりでもしかしたら使いづらい点があるかもしれませんので、もし使ってみる中で個々の部分を改善してほしいな、というような感想がありましたらぜひ教えていただければと思います。
このシートは応用行動分析の考え方に基づいて作成しています。
応用行動分析学の中では、行動は前後の状況によって決まってくると考えられています。そして、行動した直後になんらかのメリットがあるために、その行動は繰り返されていきます。
このシートでは、「行動の直前の状況」「気になる行動」「行動の結果起きたよくないこと」「行動の直後に本人が得たもの」の4つの項目に分けて記入するようになっています。「行動の結果起きたよくないこと」にはいつも注意してしまいがちなことについて、記入しておく欄として想定しています。これを作っておくことで、どうして気になっているのかがより明確になるのではないでしょうか。
このシートを記入していくことで、行動の前後の状況がわかりやすく整理できると思います。そして、「行動の直後に本人が得たもの」を考えることで、じゃあ別の行動をすることで同じような結果を作ることはできないか、など対策を立てることも可能です。
そうして、行動を整理し、視覚的にもわかりやすく、他の人たちとも共有していくことで、どうしてその行動が起こっているのかが見えてくるでしょう。それが見えてくることで、次はどう対応したらいいのか、どう環境を調整したらいいのかがわかってくると思います。
行動観察シートは、いつも気になっている行動を客観的に、また視覚的にわかりやすく整理するためのシートです。これを活用していただくことで、行動の前後の状況がわかりやすくなり、そして次の対策を立てるための手がかりにしていただければと思います。