【キャップ野球】WHIPと被出塁評価の提案
こんちゃ。(挨拶)
WHIPとは
WHIPとは、野球に用いられるセイバーメトリクスの1つで、投手の1イニングあたりの被出塁割合を示す指標です。詳細については、↓の記事を参照ください。
キャップ野球におけるWHIPの課題意識
上の記事にもある通り、野球のWHIPの欠点として、野手の守備に影響を受けるため、純粋な投手の実力を測定出来ないことが挙げられます。
対してキャップ野球では、一見、守備に影響される打球は少なく、投手の純粋な実力を示していると思えます。
しかし、キャップ野球は守備に左右されにくい分、振り逃げなど、バッテリーエラー関連のルールに影響を受けやすい点が課題として挙げられます。そこで、キャップ野球において、WHIPが示す被出塁評価が正確性に欠ける点を問題意識と捉え、被出塁率による被出塁評価を提案します。
被出塁率について
定義
そこで、安打•四球以外の出塁手段である(キャップ野球では頻発する)振り逃げと、野球では加算されない死球(※)を含めて被出塁について評価し、被出塁率と位置付け、単位は(人/投球回)とします。
※野球では、死球は一部打者の責任と考えられているためWHIPに加算されないが、キャップ野球での死球は首から上に限られるため、打者に依存しないとみなし投手の責任とします。
算出•性質
まず、上記の内容とWHIPの算出方法を基に被出塁率の計算式を作ります。
対して、以下の式で算出します。
この被出塁率の性質として、WHIPは投手単体を評価する指標であるが、これはバッテリーエラーも加算するため、投手単体でなくバッテリーを
一体で評価する性質があります。
つまり、チーム内でバッテリーが固定されていれば、被出塁率を算出した際にバッテリーの練度が評価できることがいえます。
被出塁率の適用
実際に、上記の計算を用いて数人の1リーグあたりの投手•バッテリーの評価を行います。
1.久須美(東洋)
今季はサンドストームズ(東洋大学)に所属した久須美投手は、ストレート、カットボールの高速な球種とチェンジアップの緩急で打ち取る本格派の投球スタイルです。大江捕手と9投球回バッテリーを組み、1投球回あたり約0.78人のランナーを出したことがいえます。
また、リーグにおけるWHIPは0.56と、計算値はWHIPに対し+0.22で、防御率は0.67と好成績を残しています。
2.鹿毛(慈)(世田谷)
世田谷•鹿毛(慈)投手はムービングする豪速球と大きく変化するフォークで押していく脳筋投球スタイルです。林•瀬尾捕手とバッテリーを組み、1投球回あたり約1.47人のランナーを出したことになります。
リーグの成績では、WHIPは0.80で計算値はWHIPに対し+0.67でした。久須美投手より大きい結果となりました。死球が1つあったことと、振り逃げが10回と多くなったことが原因といえますが、防御率は1.33と好成績を残しています。
3.加藤(城東)
城東•加藤投手は高速のカットボールを主体とした投球スタイルです。菊池捕手と14投球回バッテリーを組み、1投球回あたり約0.36人のランナーを出したことになります。
また、このリーグにおけるWHIPは0.14で計算値は+0.22と、久須美選手と同等の数値でした。
まとめ
この記事では、被出塁率がバッテリーを評価するという特性上、バッテリーが一定になりやすいリーグ成績にスポットを当てて紹介しました。
チャプター:キャップ野球におけるWHIPの課題にある通り、バッテリーエラーに影響を受けやすいキャップ野球で、WHIPによる被出塁の評価は正確性に欠けるといえます。
被出塁率は1投球回あたりの被出塁の割合をWHIPよりも印象に近い形で表せられますが、あくまでバッテリーの評価であるため、投手の指標というよりはチームとしての指標に近づいたように感じました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ほな、また。