【遊戯王OCG】2024年10月からふだ統計~遊戯王大会結果分析~
「閉ザサレシ新幹線ノ半島(サロス=エレス・ナガサキケン)」よりこんにちわ。C.Bです。
毎月300~400の大会情報をXの「#からふだ」から拾って、その集計ならび報告を行っています。
10月の遊戯王は「封印の魔導士スプーン」の登場で【マギストス】【エクソシスター】などのデッキが盛り上がった初旬、10月末頃には『スプリーム・ダークネス』の発売により【ライゼオル】【白き森】【HERO】の活躍を目にするようになりました。
そんな10月
・どのようなデッキが優勝していたのか。
・各地方で多いデッキは何なのか。
環境を数字で語っていきます!
10月優勝統計
10月に報告のあったデッキ数は493でした。
さっそく見ていきましょう!
優勝シェア3位【青眼】
ストラクチャーデッキをきっかけとし9月に大会環境に登場するようになった【青眼】デッキ。
9月から順位を2つ上げ見事優勝シェア3位となりました。
主な型としては
・ストラクチャーデッキを元にした自由枠の多い基本的な【青眼】デッキ
・「原石」を採用して動きと妨害の択が多い【原石青眼】デッキ
が見られます。
10月はベーシックな【青眼】デッキが多かった印象ですが、『スプリーム・ダークネス』により「原石」に新規カードが登場しました。
11月は「原石」新規を活用した新たな展開が開拓されることが期待される【青眼】デッキ。
遊戯王を代表するドラゴン族モンスターが活躍するのは何だか胸が熱くなります。
優勝シェア2位【M∀LICE】
新制限を迎え「封印の黄金櫃」が規制緩和された【M∀LICE】
デッキからの直接除外手段を獲得し、元々テーマ罠のおかげで高かった手札誘発踏み越え力がさらに増しました。
サイバース族である特権を活かしたリンク展開は圧巻で「ドットスケーパー」「コード・オブ・ソウル」「パラレルエクシード」「深淵の獣」による展開補強も相まって”止まりにくい”また”止まっても妥協展開がある程度の強度を誇る”デッキになっている印象です。
展開にEXを多く使う分余裕はありませんが「ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト」の効果であったり、環境へのメタとなる「月女神の鏃」の存在を考えると2~3枠はコストとして採用する必要のある状況。
新規でリンクモンスターが登場すると【M∀LICE】は悲鳴を上げそうですね。
優勝シェア1位【ライゼオル】
見事優勝シェア1位となったのは【ライゼオル】
「ライゼオル」のみで手札誘発の多い純構築とするもよし、「荒魂」「幸魂」や「シャーク」で手数を増やすもよし、「斬機」も「斬機超階乗」を構えれてよしと非常にバリエーションに富んだ発展を遂げております。
多く獲得した自由枠も「神の宣告」等の罠を多く採用することもあり、多彩な攻め手で相手に戦術を絞らせないシェア1位に相応しい強さを持っております。
1枚1枚が後続を呼べるため、先攻展開を止められづらく、後攻も妨害を踏み越えて展開できます。
圧倒的先攻制圧で対話拒否と揶揄される遊戯王ですが、本デッキはその点妨害を踏み越える手数により対戦を通じた対話が充分に行われる性質を持ち、豊かなゲーム性を生み出してくれているデッキだと感じております。
惜しむらくは、その手数を抑え込めるデッキがあまり存在しないこと。
現状頭1つ抜けた強さをしているため、今後現れるであろう対抗勢力がどれだけゲーム性を高めてくれるか。
大会環境の生態系が偏るか、豊かになるかは注目すべき事項です。
10月優勝デッキの各週推移位
10月の大会環境を代表する【ライゼオル】【M∀LICE】がずば抜けた優勝成績を記録していることが分かります。
ただし10/26の『スプリーム・ダークネス』発売と、それを控える1週前から明確に優勝数の差が生まれました。
新規登場したテーマ外強化カードの「蝕の双仔」が採用されているのに対し「テンプレート・スキッパー」はあまり採用されている様子がないことから『スプリーム・ダークネス』で大きく水をあけられてしまったことが分かります。
それでも優勝シェア3位以下デッキが10月2週目以降の優勝数が10を超えることができていないのを考えると【M∀LICE】の注目度合いも中々、【ライゼオル】の快進撃を現状止めうる位置にいるのは間違いないでしょう。
3位~6位をピックアップするとこのような形になります。
リミットレギュレーション改定を受けて【天盃】と【スネークアイ】が勢いを落とす構図となっておりますが、明確に数を落としているのは【天盃】くらいで、残りのデッキはトントンか微減程度で収まっております。
『スプリーム・ダークネス』のおかげで
・【青眼】は「原石」を
・【百鬼羅刹】は新規エクシーズと仮想敵を
・【スネークアイ】は「アザミナ」を
それぞれ獲得したことが【天盃】との差でしょう。
【ライゼオル】【M∀LICE】の環境支配率は35~42%といったところ。
明らかな偏りまでは発生していないため、大会シーンでも様々なデッキを見ることができる群雄割拠な環境ではありますが、【ライゼオル】を特に仮想敵として見定めてサイドデッキを構築する必要があるような環境と言えるでしょう。
しかし難しいのは【M∀LICE】の存在です。
【ライゼオル】に効く「次元障壁」は【M∀LICE】には効かず、【ライゼオル】は「ディメンションアトラクター」に多少苦い顔をしますが【M∀LICE】はあまり影響を受けません。
上位2つに刺さるメタがそれぞれ違うため、共通の対策が存在しない環境となっております。
このような場合は「エフェクト・ヴェーラー」「無限泡影」の無効系誘発が増加し、メインデッキの手札誘発としては広い相手を見ることができる構築が流行る傾向にあります。
しかし、【ライゼオル】は手数で、【M∀LICE】はテーマ罠の特性で「エフェクト・ヴェーラー」「無限泡影」を容易に超えていきます。
どのようなデッキ構成で、どのようなプランで戦うか、非常に難しい環境と言えるでしょう。
#からふだ で見る日本地図
1月から始めた「#からふだで見る日本地図」も早くも10回目。
これまでの傾向から
・関東は新規テーマを素早く使いこなし優勝する
・関西は1つのテーマを長く愛用する
・九州はメタや中速デッキが好まれる
ことが読み取れてきておりますが、10月は果たして・・・
早速見ていきましょう!
10月の関東では【ライゼオル】が優勝シェア1位というのは変わらずですが、なんと優勝数が10も減少しておりました。
その代わり優勝数を伸ばしたのは【百鬼羅刹】
対【ライゼオル】において無類の強さを誇るエクシーズメタデッキの台頭は環境に少なくない影響を及ぼしました。
元々展開力と手数はあったのですが、登場時はエクシーズデッキが環境に存在しなかったため苦汁をなめることになった【百鬼羅刹】
ここに来て新規を獲得し見事環境入りを果たしました。
このムーブメントで【ライゼオル】が抑え込まれるのか、11月は注目です。
近畿においては前月2位の【天盃】が優勝数を16つ減少させ優勝数4、一気にランキング圏外へ転落してしまいました。
勢いがあるデッキは【M∀LICE】【ラビュリンス】でしょう。
【M∀LICE】はサイバース族テーマということで従来の「コードトーカー」「@イグニスター」「斬機」が使っていたリンク展開に通ずる動きを主としています。
「コードトーカー」「@イグニスター」「斬機」らと比べて先に述べた通り「エフェクト・ヴェーラー」「無限泡影」に強いという点、除外によりリソースを一気に回復させることができる点から優秀な初動兼リソースとしてサイバース族デッキの主軸に据えられた印象です。
【ラビュリンス】は【ライゼオル】に対して先攻から「アリアス」+「次元障壁」で封殺を狙える点から、デュエルの流れを強引に引き寄せることができる相性の良さがあります。
やはり関西は関東とは別の視点から環境に抗う姿が見て取れますね。
九州ではとうとう【ライゼオル】が優勝数1位となり3大主要地域で優勝シェア1位2位が統一される結果となりました。
他地域と比べて特徴的なのは【天盃】と【キマイラ】がラインキング入りしていることでしょう。
「天盃」「デモンスミス」の規制を受けて使用者が大きく数を減らした両デッキですが
・【天盃】は採用する誘発の形を変え
・【キマイラ】は「E-HERO」による相性の良さで
規制に抗う形で構築の追求、環境への挑戦がなされている印象です。
10月に入ってから【ライゼオル】が優勝シェア1位となったため、まだ【百鬼羅刹】等のメタが表れる段階では無かった様子。
メタの登場タイミングと使用者数が地域によって違うため、11月がどのように推移していくか非常に楽しみです。
最後に
如何でしたでしょうか?
「増殖するG」が準制限になり、大きなリミットレギュレーション変更の波とともに始まった10月大会環境。
「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」の活躍があまり聞こえてこないところから、インフレの恐ろしさを実感している今日この頃です。
「十二獣ドランシア」や「M.X-セイバーインヴォーカー」は活躍が聞こえてくるため、これからの環境の噛み合いと新規カード次第では今回緩和された往年の切り札たちも活躍する姿が拝めるかもと期待を寄せております。
個人的には【ライゼオル】の頭1つ抜けた強さに恐れを抱きつつ、よく対戦でボコボコにされるため恨みも抱きつつ、それでも非常に高いレベルで対話をするデッキとなっている印象を受けることから本当に良いデッキだと感じております。
是非、このデッキと同レベルでやりあえる強力なデッキが出てきてほしいと思いつつ、できればそれが【竜華】であってほしいと祈りつつ今回は締めさせて頂きます。
以上、C.Bでした。
ここまで読んで頂き有難うございました!
もし記事に書いてない内容で、何か他にも知りたい情報があれば是非教えてください! 記事を更新してお答えしたり、今後の記事に盛り込んだりでお応えします!