東京リベンジャーズ(2021/日本)
◆前評判は?
・3.8/5(Filmarks)
・3.78/5(Yahoo!JAPAN映画)
・3.8/5(映画.com)
◆ストーリーは?
テレビのニュースで人生唯一の彼女・橘日向とその弟・直人が死んだことを知った、冴えないフリーターの花垣武道。
バイト帰りのホームで、線路に突き落とされ、死を覚悟した瞬間に、中学時代に戻っていた武道は、奴隷のような中学時代に戻り、最悪な走馬灯だと思っていたときに、いじめられていた直人を助ける。
直人に未来の事故を話して、「何があっても守ってくれ」と約束して、立ち去ろうと握手すると、目覚めた先には警察官となった彼女の弟がいた。
直人は、武道がタイムリープしたこと、日向は死んでしまったことを話す。
その原因となった東京卍會の重要人物の出会いを阻止するべく、武道は再び握手して過去に戻る。
◆感想
配役に関しては、これ以上にないほどのピッタリ感でした。
特に、ドラケンこと龍宮寺堅と主人公・花垣武道は、漫画やアニメの人物がそのまま現実にいたらこんな感じだと感動するレベル。
また、山田裕貴の演技を「ヒノマルソウル」と「東京リベンジャーズ」の役柄で見比べたとき、同じ人が演じてここまで幅の違いがでるのだと、非常に驚きました。
ストーリーに関しては、原作に忠実でありながら、やはり映画の2時間という影響を受けてしまったように思います。
映画をみるときに、「どこまでが1本の映画になるのだろう」と考えながら見ていましたが、アニメの12話あたりまでが映画になっていたと考えると、6時間弱が2時間にまとめられてしまった感は否めません。
もちろん、数ある出来事はまとめたり、省略されて然るべきですが、話の流れがもたらすドラマとか、共感とか、感動といったものが、あまり映画からは味わえなかった気がします。
ビジネス的な観点からも、考えてみます。
興行的な面では、映画「東京リベンジャーズ」は大成功だと思います。
というのか、ストーリーにまだ続編を作れる余地が残っているので、これからも映画で稼ぎ続ける可能性が感じられます。
人気の若手を多用した本作は、原作やアニメに興味のない層、つまりある俳優のファンが、「贔屓の俳優が出るから観たい」という人たちからの支持も得ることができるはずです。
一方で、媒体ごとの「越境」が起きにくいのではないかとの危惧があります。
このような危惧を私がしても仕方ないのですけど、媒体ごとの「越境」、つまり「原作・アニメ・映画のひとつを見てよかったから、そのほかも見てみよう」ということが、他の作品に比べて(具体的どれくらいとは言えませんが)起きにくい気がしました。
映画館でこの映画を観たときに私の中でかなり驚きだったのが、鑑賞者の男女比が3:7くらいだったことです。(男性がもっとすくなかったかも…)
もちろん、原作を読み、アニメも見て、映画も観るという人もいたかもしれませんが、「東京リベンジャーズ」自体が『少年マガジン』という少年誌であるという点で、映画からの他の媒体への、男性の「越境者」はいても、女性の「越境者」は少ないのではないかと想像できます。
加えて、映画の興行という観点で極めて強力だった「贔屓の俳優が出るから観たい」人たちにとっては、越境の動機は極めて低いのではないでしょうか。
…という印象を映画を観て感じました。
いずれにしても続編がでれば観るつもりなので、漫画やアニメがどうまとめられていくかを楽しみに、待ちたいと思います。