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仮)金融商品基礎講座 #0

0.はじめに

 みなさん、こんにちは。私は外資系金融機関を中心に金融業界で25年以上のキャリアをもつ「そこそこ金融商品に詳しい人」です。これまで経験してきた業務は、投資信託の商品企画から債券ファンドマネージャー、さらには仕組債の組成・マーケティングまで多岐にわたり、一般的な金融商品の知識は証券会社の営業員にレクチャーできる程度にはあると自負しております。

 昨今、金融リテラシーの向上を目的としたさまざまな教育ツールが巷に溢れていますが、正直言って、金融商品を正しく理解できるようになる内容ではないと思っています。金融の基本は「金利と債券」であり、これを正しく理解していなければ、株式のリスクについての本質的な理解は難しいと考えています。逆に言えば、債券の基本を押さえることで、どんな金融商品でも価値判断を大きく間違えることはなくなると思います(注:儲けられるかどうがはまったく別の話)。

 本稿の目的は、金融機関が作成する「株式に長期投資すればいいんですよ」的な結論に誘導することではなく、金利と債券についての理解を通じて、さまざまな金融商品の基本的な価値判断ができるようになってもらうことです。

 投資元本と毎年8%の利回りの保証を謳う金融商品や保険会社が提供する外貨建ての年金型商品などが投資に値するかどうかの判断は、金利について正しい知識を持っていれば、それほど難しくはないといえます。

 本稿は、元々は金融機関の運用部や商品開発部に新たに配属された社員向けの研修目的で筆者が作成したものをベースとしており、金融商品の知識を体系的に身につけたいという方をターゲットとしています。内容は、金利の話から始まり、債券や株式の価格形成の話、最後は仕組債の裏側にあるエキゾチック・デリバティブのプライシングまで網羅する予定です。(途中から有料化の予定)
 
 予め断っておきますが、金融商品をきちんと理解するためには、中学生レベルの「数学」の使用を避けて通ることができません。つまり、説明に際しては、数式が頻出します。しかしながら、学びたいという方の意欲を挫くようなものにしては意味がないので、数式が苦手な方でもなじみやすいように、表計算ソフト(EXCEL)を活用した計算演習を用意しています。

 具体的には、金利等のインプットを変えると、債券価格などのアウトプットはどのように変わるか、などを視覚的に分かっていただけるような工夫をするつもりです。

 なお、NOTEでは一般的な数式の表記(指数や分数など)ができないため、EXCELでの数式入力に沿った表記をする予定です。

 例)
   a掛けるb ⇒ a * b
   a割るb  ⇒ a / b
   aのb乗  ⇒ a ^ b

 1週間に1話ずつアップできるように頑張ります。


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