見出し画像

17歳の悲劇②学校辞めて自由になるはずだったのにって話

つづきを書きます!

高2の夏。退学を決意。

夏休み前半の時点で、

もういいや、もうやめよう。
とりあえずもう学校なんか行きたくない。
てゆーか、何もしたくない。

バイトも続かず、遊んでくれる中学の友達はいたけれど
せっかくの高2の夏休みはぼんやりと過ぎていった。


ただ、学校へはもう行きたくなかった。
たまに教室に入った時の白い目に耐えられそうになかった。

なんであんなクラスになっちゃったんだろう。
となりのクラスだったらなんの問題もなかったのにと。


実際、となりのクラスには1年時からの友達がいました。
ひとつずれただけで、なんなんだこの差は。
天国と地獄ってやつ。


まず、やめるって伝えよう。
編入するにしても、担任からなにか書類を書いてもらわないといけない。

まずは、言わなきゃ。

ボロボロの出席率。止められるわけはないだろう。


バイトで鍛えたよそ行きの声で、学校へ電話を掛けた。
担任は某運動部の顧問だったので、いついるかってのは分かっていたのだ。
ある日の部活終了後に、話をすることになった。


やっと、終わる、はずだった。

久しぶりに、たのしく自転車をこいだ。
この景色とお別れなのはさみしいけれど、あの冷たい目線にはもう耐えることはできまい。

この話が終わったら、わたしは自由になれる。
高校を、変えられる。新しい世界!!!

なんて、うきうきすらしていたような気がする。


とはいえ、実際職員室に向かうとさすがに気は重くなる。

担任はわりと笑顔で迎えてくれたような、記憶がぼんやりと、ある。


冷たいお茶を出してくれた。
よし!他人行儀!あとは退学届けを出すだけだ!!

「退学願」ではなく「退学届」を担任に出した。


「もう、限界なんです」

「気持ちはわかる」

と、言われた。はい?どいうこと?

「確かに君にはあのクラスはきついでしょう、君以外にもあと3人、おなじようになっている生徒がいる。(実際に誰、と聞きました)アク強いクラスだよね。悪い子たちではないんだけどね」


てか、わたし含めて4人が不登校もどきって、ってツッコミはさておき続きます。


「君がうまいこと出席率をキープしているのは分かっていた。養護の先生や司書さんからも話は聞いています。まじめに本読んでいることも、知っている。1年の時は何もなくて、むしろ明るくて友達も多い方で。文理選択であのクラス一択だったのだけど、大丈夫だろうって思ったんだよね。もし違う選択をしていたら、隣のクラスになれた。隣のクラスなら○○(友人)がいたんだよね。すまない」


そういうこと…


2年生で文系理系の選択があって、4科目からどれかを選ぶシステムでした。
わたしが得意かつ好きなのは文系のある科目だけだったので、まったく迷わなかったのだけど、ここが運命の分かれ道だったんだ。

そして、文系でももうひとつのほうを選んでいたら、隣のクラスになれたんだ・・・
たしかに隣のクラスは文理混合クラス。友達は理系だったから
クラスが一緒になることはないだろうなと思っていたのだけど。
まさかね。


泣けてきた。


「君は○や○(友人数名)と仲が良いのは知っている。みんな心配して、俺のところに相談に来た。いい友達を持ったなぁ。
あいつら(生徒会メンバー・某部活レギュラー・超美人)と仲がいいし、君の1年の素行を見ているのもあるしどう考えても君だけになじめない原因があると思えない。
高校は、辞めるな。

出席日数はこれまで通りギリギリでいい。体育は最低限出てくれたら俺がなんとかする(体育教諭でした)
3年のクラスは考慮する。今、2年の2学期3学期だけ、ほかの先生たちもバックアップするからやめるの、やめないか?」



ここでやっと思い出した。
1、2年と同じ担任だったのだ。通りでわたしのことを知っているわけだ笑

なんて今では笑えるけれど、
当時は担任が誰かすら思い出せないくらい、追い込まれていたのだ。


辞めたいんすけど

たしかに、いい友達ができたと思っている。
だけど、まだしばらく、あのクラスで過ごさないといけないのだ。
義務教育ではないので、出席日数が必要なことは分かっている。

あの白い目線が、つらいのだ。

友達までも、あいつらの敵にはしたくない。
迷惑かけたくないのもあって、辞めたいんです。

そんなことを伝えた気がする。


「ぶっちゃけて言うよ。
今、高2の今だけなんだよ。この先、3年生、進学もするでしょう。
ご家庭の事情で就職を考えているかもしれないけれど、君は進学したほうがいい。しっかり技術を身につけて、くいっぱぐれないようにしたほうが後々を考えるといいと思う。確かにフリーターになれば今の生活は楽になるかもしれないけれど、人生はずっと続く。君の性格をみていると、高校はやめない方がいい。辞めんな。破くぞ」



はい。
退学届、破られました笑


頑張ります、とか言ってないのに。破られました。
しかも粉々に。


高校行かないとは言ってない。

わたしは不服だった。
なぜなら一回も「高校へ行かない」とは言っていない。
「編入したい」とずっと言っていたのだ。

できれば、奨学金借りてでも、進学はしたい。
大検取れる気はしなかったし笑
高校生活に未練はあったから。

1年生の時みたいに、楽しい生活を取り戻したい。
高校を変えれば、実現すると思っていたのだ。

「あの、高校中退で終わらせるつもりはないです。通信制(パンフを見せる)か友人が通っている高校の編入試験を受けるのもいいと思っています。小さいころから知ってる友人ですし、先生経由でも「ぜひ」って言われているんです」


嘘はなかった。
友人の高校は先生との距離が近くて、とても面倒見がいいと聞いていた。
すなわち、進学校ではない。

その友人が部活の顧問に私のことを相談したらしく、文化祭とかなんやらでよく顔を出していたこともあり「決まったら言って。主任に伝える」と言われていたのだ。


「うーん、君は本当に友達に恵まれているのはよくわかるんだけど。その高校は君じゃない。君が行くところではない」


その一点張り。


結局、退学ができなかった。
不登校、って道もあったが、なんかフォローはしてくれるって言ってるしと言い聞かせ、夏休み中の編入は事実上不可能になった。


学校、どうしよう。。。。
そんな夜。



「辞めんな」

ある1年で同じクラスだった友人から初めて、電話がかかってきた。
普通に仲は良いが、基本メールしかしない。

意外すぎる着信に、思わずすぐ応対した。


「担任から聞いた。辞めんなよ。あのクラスだろ、きついのはわかる。でも編入なんてするなよ。。。」

泣いてた。


「なぜおまえが泣く?」


かわいげなんか皆無の私が、そんなことを口走ったような。


「溜め込みすぎなんだよ。お前1年の時あんなに楽しそうだったじゃんか、忘れたのか?そりゃ家のことはあるだろうよ。でも都立だ、どうにでも通えるはずだよ。愚痴なら聞くから、付き合うから。辞めんなよ」


今でも忘れない。
はじめての中間テストで100点を取った奴だ(化学)
ちなみに私は、赤点。笑
そいつが平均点をあげたせいで、赤点になったのだ。


担任が言っていたことがぐるぐるした。


そうだよな。

担任からしたら、わりと優等生とばかり仲が良いわたしのことを
根っから変な奴とは思いにくいんだろうな。


きっと、わたしは、ラッキーなのだろう。


たぶん、ほかの人だったらあっさり受領されてたのかもしれない。。
だけどどういう風の吹き回しか、退学届を破かれ、友人に泣かれるという結末。


surfaceのある曲がわたしの曲だって言ってたね。
あんとき、本心はお前、どう思っていた?って聞いてみたい。今なら聞けるような気もするな。だけど、奥様に遠慮して、連絡取れない。切なし。


その時、こんなことを考えていた。

確かに、まわりには恵まれているのかもしれない。
でも、わたしには、なにもないじゃん。ただの苦労人じゃん。と。


つづく









いいなと思ったら応援しよう!