ラテン詩ヘクサメーターのスキャンニング入門2

もうすこしスキャンニングの練習をしてみます。
素材はアエネイス第1巻、前回の続きで12~18行目までの7行です。


12行目

1脚目 Ur/bsanのスポンデオ
2脚目 ti/qua/fuのダッティロ(quは合わせて一つの子音字相当)
3脚目 it/Ty/riのダッティロ(1つ目の音節のiはここでは母音扱い。そうしないと計算が合わないので)
4脚目   i/te/nuのダッティロ
5脚目 e/re/coのダッティロ
6脚目 lo/niのスポンデオ
cesuraは2脚めの1音節のあと。


13行目

1脚目 Kar/thaのスポンデオ
2脚目 g(o)I/ta/liのダッティロ(Karthagoは最後母音oで終わり、続くItaliamも母音Iではじまるのでsinalefeのルールによりoが脱落し、gItaliamのように発音されるがItaliaのIは長母音)
3脚目 am/conのスポンデオ
4脚目 tra/Ti/beのダッティロ(contraのtrは閉鎖音と流音の連続なので一つの子音として扱う。したがって音節の切れ目はnとtのあいだ)
5脚目 ri/na/queのダッティロ
6脚目 lon/geのスポンデオ
cesuraは2脚第1音節後。



14行目

1脚目 os/ti/aのダッティロ(iはここでは母音扱い。次のaと二重母音は形成しないので短い音節の連続とみなす。
2脚目 di/ve/soのダッティロ
3脚目pum/stu/diのダッティロ
4脚目 is/qu(e)asのスポンデオ(queのeは次に母音aで始まる語が続くので脱落。sinalefeのルール)
5脚目 per/ri/maのダッティロ
6脚目 bel/liのスポンデオ
cesuraは2脚目の第1音節のあと。


15行目

1脚目qi/uのスポンデオ(語末のmが母音aとIに挟まれているのでamが脱落。行の先頭の音節は長いものとみなす)
2脚目no/ferのスポンデオ
3脚目tur/terのスポンデオ
4脚目ris/ma/giのダッティロ
5脚目 som/ni/buのダッティロ
6脚目 su/namのスポンデオ
cesuraは2脚目の第1音節のあと。


16行目

1脚目pos/tha/biのダッティロ
2脚目ta/co/luのダッティロ
3脚目is/se/Saのダッティロ
4脚目mo/hiのスポンデオ
5脚目cil/li/uのダッティロ
6脚目sar/maのトロンコ(長短でありモーラが一つ足りないが、ヘクサメーターの詩行の最後の音節はこれも許される)
cesuraは4つ目の脚の第1音節のあと。


17行目

1脚目hic/curのスポンデオ
2脚目rus/fu/iのダッティロ
3脚目thoc/reのスポンデオ
4脚目num/de/aのダッティロ
5脚目gen/ti/buのダッティロ
6脚目ses/seのトロンコ(2行連続のトロンコ)
cesuraは2脚目の第1音節のあと。


18行目

1脚目si/quaのスポンデオ
2脚目fa/ta/siのダッティロ
3脚目nan/tiamのスポンデオ(ここではiは子音扱い)
4脚目tum/tenのスポンデオ
5脚目dit/que/foのダッティロ
6脚目vet/queのトロンコ(3行連続のトロンコ!)
cesuraは2脚目の第1音節のあと。


次回はオウィディウスに挑戦してみようかなと思ってます。





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