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サバ好きの、サバ好きによる、サバ好きのための祭典!「鯖サミット」とは?

サバファンの皆サバ、こんにちは。サバやしです。

年に1回、サバの産地で開催している「鯖サミット」について書いてみます。

全国各地のサバ商品やサバ料理が味わえる食のイベントとして、年に1回開催しています(コロナ禍を除く)。2014年に鳥取で始まって、かれこれ来年で10年経ちます。来場者は平均3万人ほどのイベントです。

食のイベントと言っても基本はサバ、会場内どこを見渡してもサバです。サバファンの皆サバにはぜひ各地のサバを味わっていただきたい!海外のサバもありますよー。
例年出店されるのは、産地を代表して産地のサバ商品をまとめて販売するパターン、加工メーカー様、漁業協同組合様、生産者様、飲食店様など業態はさまざまです。

鯖寿司、サバカレー、サバ丼、サバーガー、へしこ、串焼き、浜焼き、サバ缶、干物、塩焼き、冷凍食品、ほかいろいろ、こだわりのサバ食品が集まります。人気のブースは1日目の午前中で売り切れ!なんてこともあります。

なお、開催地だけは、開催地の魅力発信の意味合いで、サバ以外の地元特産品の出店もできるルールです。そのため、開催地推しの食も楽しむことができます。

開催地は年によって替わり、全国各地を巡って開催しています。開催地の条件は、サバ産地、またはサバの郷土料理などがある「サバ食推進地」です。

鯖サミットのイベントの様子の画像
鯖サミットのイベントの様子

「サバ食推進地」とは

例えば、福井県小浜市。
小浜には「浜焼きサバ」や「サバの醤油干し」「へしこ」などのサバ郷土料理があります。そして、それらを製造する会社や販売店舗があり、地元の方はもとより来訪者もそのサバ郷土料理を楽しみ、土産や通販でも販売されたりしている、つまりそういう地のことです。

浜焼きサバの画像
「浜焼きサバ」ジューシーで旨い 若狭小浜お魚センターにて

なお、小浜市は若狭湾に面する鯖街道起点の町。その昔、若狭湾で獲れたサバをはじめとした海産物を都(京都)へ運んだ道が鯖街道です。
小浜は1980年代まではサバの一大水揚げ地。現在は以前のようなサバの水揚げはないものの、サバ食文化は郷土料理として色濃く残っています。
加えて、小浜市では2016年より鯖復活プロジェクトとして「小浜よっぱらいサバ」という養殖サバを生産しています。

鯖街道起点の町、小浜市にある起点を象徴したプレートの画像
鯖街道起点の町、小浜市にある起点を象徴したプレート

話がやや膨らみましたが、鯖サミットはそうしたサバ食推進地、あるいは産地で開催しています。
◯サバの水揚げが多い、サバをブランド化している地域=産地
◯水揚げは少なくとも郷土料理などが産業化され、サバ食文化が受け継がれている地域

きっかけ

2013年より、サバ好きな仲間(全日本さば連合会)で「鯖ナイト」というイベントを都内で数ヶ月ごとに開催していました。サバ料理と酒だけのイベントで、自分が好きな酒を持ち寄り、サバ料理を楽しむという趣旨です。参加するとサバ仲間が増えます。

「鯖ナイト」と並行して、ぼくはブランドサバやサバ郷土料理を目当てに各地へサバ巡りをしていました。サバの郷土料理は海辺にとどまらず山間部にも受け継がれていたり、はたまた東日本ではほとんど生食されないサバを刺身で食べる地域があったりと、全国を見渡せばかなりバラエティーに富んでいる。日本人であれば知らない人はいないであろう身近な魚なのに、実は奥深いなぁと驚きの連続でした。

そこで、「鯖ナイト」も産地や郷土料理を前面に出す内容に切り替えました。
今回は沼津のサバ、今回は八戸のサバ、というように産地に焦点を当て、その産地で水揚げされたサバを使った料理を提供し、毎回ひとつの産地のサバとその周辺を紹介する内容にしました。そうしていくうちに、都内在住の産地出身者も噂を聞きつけ?参加するようになりました。開催2、3回目あたりまでは20〜30人くらいの“友達の友達は~”規模でやっていましたが、産地に焦点を当ててからは80〜100人近いサバファンが集まるイベントになっていきました。また、産地からわざわざ駆け付けてくださるサバ関係者も多く、サバや産地の紹介をしてもらっていました。

当初はサバ好きが集まる飲み会でサバについて熱く語り合いたいと思って企画し、公民館などで密やかに?開催していたのが、参加者が増えたため飲食店を貸切った大規模な会になっていき、サバやしは司会をしなくてはいけなくなりサバ料理を食べられないじゃないか!という状況に。

鯖ナイトの画像
鯖ナイトの様子

そんな頃、産地の漁業関係者からよく聞いたのが「サバでそんなに人は集まらんよ」といった言葉。この言葉には、2つの現実があるなと思って聞いていました。

1つ目、確かに地方で大勢の人がサバを目当てに水揚げのある港や飲食店に集まることはそうそうないだろうという点。そういう機会はなかなか作られにくいだろう。
2つ目、1つ目の理由でもあるが、当たり前のように水揚げされるサバは、産地ではもはや日常の風景である点。トラックの荷台からこぼれ落ちても誰も拾わない。そのくらい当たり前であるという現実。
そんな大衆魚がどうして人を集めるのかといった言葉なのだろう(たぶん)。

しかし、消費地である都会にはサバファンが大勢いるのです。そして「鯖ナイト」にはサバファンが嬉々として集まっているのです。
サバ産地の出身者は上京するとサバが好きになるのか? いや、地元では当たり前に食べていたサバが都会では当たり前でなくなるため、無性に食べたくなるのかもしれない。あるいはノスタルジー、郷土愛?

いずれにせよ、消費地と産地のギャップを聞くにつけ、産地にサバを食べに出かける機会があったらいいんじゃないか?と思いはじめました。しかも、サバは足の早い(鮮度落ちが早い)青魚なので、産地で食べるのが一番鮮度が良いわけです。そうして年に一回、サバ産地にサバファンが集まって賑わいが生まれたら、産地も盛り上がるんじゃないかなぁと思ったのが、鯖サミットのきっかけです。

今までの開催地

2014年 鳥取(鳥取県)  9月20日、  9月21日
2015年 鳥取(鳥取県)  9月20日、  9月21日
2016年 小浜(福井県)10月29日、10月30日
2017年 銚子(千葉県)11月26日
2018年 松浦(長崎県)10月27日、10月28日
2019年 八戸(青森県)11月  2日、11月  3日
2022年 松浦(長崎県)10月29日、10月30日

2019年青森県八戸市での鯖サミットの画像
2019年青森県八戸市での鯖サミットの様子

特筆すべきシーンは開催毎にあるのですが、第1回となった鳥取市での開催は、鳥取鯖食研究会の皆さんにご尽力いただき実現することができました。初回ということで出店参加地域こそ少なかったものの、以降の鯖サミットのベースとなる形はこの鳥取で作られました。

今も手作り感たっぷりの鯖サミットですが、鳥取の鯖サミットではとても温かいものを感じました。開催地として、ほかのサバ産地から来た出店者と交流をし、また出店者同士が交流する機会としても素晴らしく、サバを介して産地や人がつながっていく。近頃では年に1回の「サバ同窓会」と笑い合うこともありますが、それはまさしく鳥取からはじまったのだと思っています。

運営サイドの話ですが、鯖サミットの魅力として、こうした温かさを次の開催地に繋いでいくことを大切にしたいと思っています。全国のサバ産地にそうした温かさが巡っていくような、そんなイベントになればいいなと考えています。

毎年、新たに出店参加される地域や企業、団体は徐々に増えています。
出店者の皆さまにはお客さんとの交流のみならず、開催地や出店者同士の交流を深める機会として毎回交流会を開催しています。
鯖サミットは大抵は2日立てで実施のため、交流会は初日夜に開催しています。開催地と出店者しか参加できないのですが、なんだかんだ鯖サミット名物のような展開を見せており、酒も入ってイイ感じに「サバ同窓会」の様相を呈していますね。

鯖サミットの交流会の画像
鯖サミットの交流会

2023年は見送り

そして最後に残念なお知らせですが、実は今年、2023年は鯖サミットの開催が難しくなってしまいました(ここまで鯖サミットのことを書いておきながら!)。
開催候補地と調整を重ねましたが、全国的なサバ漁獲量の落ち込みも勘案し、今年の開催は見送ることとなりました。

しかし!来年からはまた開催できるよう調整を進めていますので、開催が決まりましたら公式サイトや公式SNSでご案内しますね。サバファンの皆さま、お楽しみに!!会場でサバやしを見かけたら声をかけてくださいね。

ではでは、また。

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