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サンクゼール (45%Exit)

(追記) 本文に記した「1年後個人予想EPS128×アップサイドPER25倍」である3,200円でExit、初値2,210円

12/21上場予定

久世福商店がメイン。「地方に埋もれている商品を売れる商品に作り替えていく」とのコンセプトで調味料やご飯のお供、お酒のつまみといった食品をさまざまな地方メーカーによるOEM生産を行ってセレクトショップのように販売している。

店舗はショッピングモールなどに出店しており、直営店、FC店が半々。前期以降はFC店だけが増加している。
コストコへの納入も行っており、こちらは特に伸びている。

特徴は顧客ロイヤリティを高めることを重視した経営戦略。WEBを通じたリレーションや1店舗2,000種といった品ぞろえによってそれを追求している。
単価が低いこと、プチ贅沢であること、連続的に消費する型の商材が多いこと---から、まさにリピーターの多寡が鍵を握る事業だろう。

<ポイント>
・足下の業績はコロナの反動もあって伸び悩んでいるが、9月から値上げ
・2月頃の3Qに反映される
・事業構造は当面安定的な成長を見込めるもの
・公開価格は少なからず割安と見る

■前22.3期 売上■
<直営+FCの売上> +27% 全社増収寄与度:16%
(FC店の増加、及び既存店客単価の伸びが牽引)
(出退店は+7店舗で147店、店舗数は+5%)
<BtoB販売(主にコストコ)> +83%  全社増収寄与度:8%

■今23.3中間期 売上■
<直営+FCの売上> +8% 全社増収寄与度:4%
(前期に比べると既存店売上の伸びは鈍化している)
(出退店は+8店舗、店舗数は+5%)
※以上は出店数も含めて通期を中間の単純2倍とした場合
<BtoB販売(主にコストコ)> +26%  全社増収寄与度:3%

足下では既存店売上の伸びは鈍化している。
そもそも前期の伸びが高過ぎる印象を持つが、これはコロナ追い風(家庭で食事を採る回数の増加)も寄与していたのではないか。

一方、9月に値上げを実施。月末時点で多くの店舗で客数には響いていないとしているため、そうであれば下期は既存店売上が伸びてこよう。3Qは2月頃発表となるが、値上げがフル寄与する期となる。

(2Q売上は1Qに比して減少しているが、これは猛暑と台風などで客数が減少したことが原因としている)

■出店計画■
増資資金を投じて25年3月完工予定で直営店舗を大量出店する計画。
出店余地は十分で、成長余地も同様。

■利益率■
営利率:
22.3期/9.3%
今期計画/7.9%

中期的な利益率目標が10%であるため、前期は好利益率だったと言える。
今中間期は原価率が悪化している。コストコ向け比率の増加という販路ミックスの構成変化、値上げの未実施、の2点が要因。

下期は値上げのフル寄与で原価率が改善すると考えられるが、販路ミックスの構成に起因する部分は変わらないため22.3期レベルまでの回復は見込まない。

■EPS■
24.3期のEPSは128あたりをイメージする。
・売上:23.3計画に対して10%増
・営利率:前期と今期の中間である8.7%
・EPS:128

直営店新設の着工が年度内に多く予定されてくるが、償却期間が長く販管費の増加要因としては大きくない。

■PER■
PERについては、以下のようにイメージする。
◇高位になる要素
:成長実績、出店余地、リピーターが多い、購買回数が多い、多品種
◇割り引く要素
:既存店の伸び一服
:『いずれは飽きられそう』であること
(例えば総菜などと比べると必需性は低い)
:ショッピングセンターは入替が頻繁にある
→今後のCAGRを10%ほどと認識して20倍、アップサイド25倍

■成長可能性に関する資料■
上場直前に開示される同資料では、以下の点にに注目したい。
・24.3期の出店計画(FCも含めた)
・優待の将来的な設定意思

小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。