tripla (26%Exit)
(追記) 本文に記した「1年後個人予想EPS50×PER35倍=1,700円フェアに対して20%プレミアムである2,040円」でExit、初値1,620円
11/25上場予定
宿泊施設向けにクラウド型の公式サイト予約システム、及びチャットボットを提供。公式サイトに埋め込む形で使用される。
概して、「ECにおける、amazonに対するBASE」のような立場にあると言えそう。(サービス内容もビジネスモデルも異なるが、プラットフォーマーに抜かれるなら自社サイトで、というニーズに応えるものという意味で)
大幅に伸びているのは予約システムであるtriplabookの従量課金部分。
triplabookの固定料金、チャットボットであるtriplabotの固定料金・変動料金、といったところについては年率20-30%ペースに成長が落ち着いてきている。
従量料金は「導入前1年の他社システム経由での売上を上回った部分」に対して課しており、21-22年に導入した宿泊施設についてはハードルが低いと思われる。
20年夏のGOTOトラベル、22年初夏の県民割拡大が含まれた四半期はこの従量課金が特に大きく伸びている。
季節的には夏休みが含まれる4Qに伸びやすい。
初回決算は本決算で、12月あたりが見込まれる。今期計画は水際対策緩和を織り込んだうえで公開済み。
前4Q着地の計画は概ね9月までのデータを根拠に作成されているため、10月半ばにスタートした全国旅行割の恩恵は短い日数ではあるが着地上振れ要因になりえる。
3月あたりに見込まれる1Q決算は半分ほどの時期で全国旅行割がある。
こういった要素があり、また何よりも吸収金額が小さいことから初値は高騰が予想される。株価が低位でテーマ性が明確なことからも個人投資家の注目度は高くなってしまう。
一方、1.5倍以上であれば売却可能なVC持分は公開株数よりも多く、売却後は300万株ほどの流通となる。もし2,000円であれば60億。初値高騰ののち更に上昇できなかった場合は小さくない規模のシコリが残ることになる。
サービス価値が高く、ユーザー数が四半期ごとに着実に伸びており、増収に伴って素直に営業費用率が低下している企業であり、相応の成長期待が織り込まれて然るべきという印象だが、上述の要素を踏まえると「エントリーすべき価格の線引き」をしたい。
23.10計画ベースで売上11.7億、人件費率51.7%、その他費用率26.6%。
人件費は22.10までほとんど増やしておらず、その他費用は低位なうえに増額幅も小さいこと。このことからは増収に伴って営業利益率は先々40%程度への向上をイメージ。
評価はユーザー数の増加に伴って20-30%といった安定的な成長が可能なモデルであることがプレミアム、一方で規模が極めて小さいことはディスカウント要因。
<11/15追記>
上述の「エントリーすべき価格の線引き」は、以下のように行いたい。
・売上
全国旅行割の影響を考えず、海外旅行者の入国者数がコロナ以前に回復した場合との要素も考えず、CAGR25%で評価
・人件費率
今期計画である51.7%に対し、45%で評価
・その他費用率
今期計画である26.6%に対し、24.5%で評価
・PER
宿泊業界に対してマージンを向上させる一手として提案しているサービスであり、コロナ禍下でもユーザー数を増加させていたようにミッションクリティカルな側面があること、ユーザー数の増加に伴って20-30%といった安定的な成長が可能なモデルであることから、高位が妥当と考え35倍としたい。
→以上から、1,700円を線引きとしたい。初日の限度である1,880円は妥協の限界点。初値が高騰し過ぎる場合はVCの売りがあとから出る可能性と上にシコリを作ってしまう確率が高まる。逆に1,200円を超えてから初値までの時間が短いほど、値幅だけでなく成功確率も高まる。
小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。