ヌーラボ (▲12%Exit)
(追記)
サマリーに記した通り、本決算内容を受けExit。期末時点での解約はそれほど増えておらずガイダンスとしても解約増加を見込んでいないものの、49あたりで出すと見込んでいたガイダンスEPSは25.7であった。
5/12終値でPER44倍。値上げを除く成長率が低い状況では高すぎる。
この差異は売上ではなくコスト面で、解約挽回用にS&Mを引き上げることは想定通りだがその幅とR&D増加が想定を大きく超える。
4/26終値942円→5/15寄付833円(▲11.5%)
サマリー
1月から35%値上げを行っており、5/12の本決算で解約が少なければ良し、多い場合は顧客獲得構造上厳しくなるため即時撤退。
概要
エンジニア向けのプロジェクト管理/コラボレーションツール。
創業した2004から2017まで低空飛行。
2017よりVC出資を受け積極化。
有利子負債は0.1億で、役員体制を見ても経営は良く言えばシンプル、スリム。
拡販はユーザーがメンバーに加えた外部者の自社利用を期待する口コミ方式。しかし一定額ずつの伸びに留まっており増収率は鈍化が続く。
セールスコストは低く、営業人件費は売上の15%、広告費は10%ほど。
コスト
粗利率は60-65%と業種相対で低い。
販管費は23.3見込で人件費等で12億、広告費で4億ほどになりそう。
PER
成長率が10%台なので、SaaSのなかでは低い水準が妥当か。
順調に行っていれば25倍、そうでなければ20倍あたりをイメージする。
決算 23.2
予想EPS: 49
(売上:10-12の6.7億×値上げ分1.35×10%解約想定×4で32.5)
(原価:10-12の2.5億×4)
(販管費:23.3見込の年16億から解約挽回用の広告費増を見込み18億)
(以上で営業益4.5億)
決算印象: -
日証協のショート: 公開の1/40と少ない
買い残: 公開の1/10と多い
6/23からVCロック解除。
5%超えは1社も無いため大量保有は出ない。
87万株あるため、どっちつかずの決算となった場合は厳しいだろう。
22年11月に年明けから値上げすると発表している。
ボリュームゾーンで年13万円が20万円になるなど、約35%値上げとなる。
怖いのは解約で、年間契約が多いため5/12本決算で公表される3月末直前での解約状況が最大関心事となろう。値上げ予定公表後に新規が減っているとしているため、解約が多い場合はカバー困難であり厳しいだろう。
解約が少なければ、コスト投下の小さい会社だけに利益貢献は大きなものになる。解約ゼロの場合でコスト投下が変わらなければEPSは上記から84円程度に上振れ得る。
ユーザーが社内外横断的に使用するコミュニケーションツール、という商品特性は直近でやはり大幅な値上げ予定を発表したChatworkと共通しており、値上げしやすい構造なのかもしれない。
IPO時
承認段階の想定価格2,130円であったものが1,000円で公開。
上場前の取引単価
・17年6月のVC出資は606円
・18年10月のVC・持株会出資が606円
・20年2月のVC出資が840円
・ストックオプションも全て840円
アリオトという会社の売出だけが目立つ上場
(保有する155万株中、128万株売り切り、残りも12/24でロック解除)
VCは売出無し
小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。