IPOのP/L一覧 23.07①
Aero Edge 7409
最新航空機エンジン「LEAP」用タービンブレードを2社独占生産
🖊 需要増がほぼ明示され、設備投資済み、増収で利益率が伸びる構造
・吸収15億
・最新エンジン「LEAP」用タービンブレードを生産(世界で2社のみ)
・LEAPの特性は省エネ
・エアバス、ボーイングの中小型機2種で最終使用
・納入先はエンジンメーカーであるサフラン社
・同社需要の35%をドル建てで供給する契約
(13.11に母体の菊池歯車が同社と取引契約を締結し、15.9に分社化)
・17.6に事業を開始
・材料費は納入先負担、販売価格は固定:固定額のマージン≒売上
・原価のうち償却費は定率法にて額は年々低下
・将来の増産に対応する設備は確保済み(償却増は見込まない)
・販管費はほぼ人件費で固定的、販管費率は増収に伴い低下
・最終使用する2機種は向こう3年生産台数が大幅に増える計画
(月間台数:22年74機→25年125機)
・最終機メーカーはコロナ時の生産減で受注が積み上がっている
・中小型機でも長距離対応が可能になっており航空需要は中小型にシフト
・今期30%増収で38億、原価は過去2年同様売上増加分に対し30%増加として+2.7億、販管費は過去2年の平均である+0.5億、とすると営業益10.3億、EPS195となる
・PERは25年まで増産が見込まれること、競合不在、環境対応や中小型機シフトで更なる需要増も想定されやすいことから40-50倍あってもおかしくないが、一方ではサフラン社との契約に依存した一本足打法のディスカウントも妥当であり35倍程度をイメージ
・第三者割当単価は18.3の豊田通商、政策投資銀行、VC2社、足利銀行、JA三井リースが1,750円、18.7の三菱HCキャピタルが同じく1,750円、20.5(コロナショック中)のDMG森精機が1,500円。ストックオプションも直近のものは1,750円
グリッド 5582
電力事業者・物流業者へ発電所需給・輸送計画の最適化サポート
🖊 24年問題という強力なカタリスト
・吸収28億
・AI事業の増収率は22.6が33%、23.6が49%
・以下のソフト開発売上がメインで、次いで完成後のサポート売上
①国内電力事業者向け>電力需要を予測→各発電所の需給計画を最適化
②物流分野>輸送計画を最適化
・上記2分野はともにタイムリーで、特に②の「2024年問題対応」はカタリストとして非常に大きい
・原価は労務費がメインで粗利率は72%弱で横ばい
・販管費は管理・営業人件費がメイン、増収とともに販管費率低下中
(23.6は1.8億増)
・24.6の売上を仮に40%増収、粗利率を不変、販管費を+1.8億とした場合のEPSは62
・VC不在
・三井・伊藤忠・丸紅の商社出資あり
(出身の役員もいて、このバックボーンは拡販への期待を持たせる)
ブリーチ 9162
自費でウェブ広告を打つ代わりに売上増加分をシェア
🖊 反動的な売上ピーク懸念が先行。また、利益率のブレが大きい
・吸収95億
・「アール社」への売上が7割だが、ここは広告代理店で大手育毛関係からの受注が多いとのこと。ファーマフーズではないかと言われる。同社は来期から広告費を抑えるとしている
・原価はほとんどが顧客企業に代わって行う広告出稿料
・このため、利益は下にも大きくブレやすい構造
・販管費は人件費がメイン
小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。