IPOのP/L一覧 22.11
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POPER 5134
・高い増収率に伴って販管費率が急速に低下
・21.10の実績FCFマイナスは営業赤字よりも大幅に小さいが、長期借入金が主因であり前受収益は小さく、概ね営業損益程度の実績FCFとイメージ
・23.10は営業黒字転換計画、FCFマージンは6%ほどとイメージ
・これに基づくと「増収率+FCFマージン」は40ptを僅かに超える
・公開価格のPSRは2.6、初値予想1,100円のPSRは4.6
(一株当たり売上は239)
・規模が極めて小さく機関投資家によるバリュエーション修正は期待できないが、「増収率+FCFマージン」に鑑みてPSRには割安感がある
・公開株60万に対して1.5倍、90日で解除されるVC等保有分が110万以上と非常に多い
・1年以内の新株に対しても、同じく既存株主間での売買に対しても大幅なダウンラウンドとなっており、かつ売出中心であるため、上記保有分の売却可能性は高い
🔍焦点
教育現場向けSaaSでオンライン授業(Comiru Air)が含まれるため、コロナ追い風がなかったかどうか
→そうした追い風の反動が実績として出ている企業が散見される中、同社は21.11以降足元の22.5-7に至るまで拡大基調に陰りはない。
→コスト面ではセールスコストの比率は低い
(販管費はバックオフィス費用がメイン)
なぜ直近に対しても大幅なダウンラウンドで上場するのか
→シンプルに現金化を急ぐ理由があると捉えられるだろう。
A.株主サイドの理由→1.5倍または90日通過後しばらくで警戒は解かれるが、VCが複数社にわたるため株主サイドだけの理由とは解釈されにくい
B.同社サイドの理由→決算が評価契機となるが、11月末~12月の本決算は23.10予想まで出してしまっている
→大幅なダウンラウンドへの疑念を解く契機が当面見当たらない
ベースフード 2936
・増収率は高いが、コスト率がそれに伴って低下していない
ティムス 4891
・創薬ベンチャーのため、P/Lでの評価対象外
・創薬ベンチャーとして注目に値する要素を多く持つ
>米大手との巨額ライセンス契約実績を有する
>パイプラインの対象領域が極めて高いポテンシャルと注目度を有する
>本公開規模でのグローバルオファリングは極めて珍しい
トリプラ 5136
・高い増収率
✔ 契約施設数増加によるベースアップが四半期ごとに見て取れる
✔ 予約システム従量部分が人流規制緩和で本格化
(従量部分 ≒ 過去1年の他社システム経由売上を超過した部分)
✔ 今4Q~来1Qは旅行割による件数・単価上昇で押上げ
・コストはバックオフィスとエンジニア人件費がほとんど
・人件費率は低下傾向。費用として固定的では無いとはいえ低下余地あり
・23年10月計画は今期とリニアな増収額の計画であり、足下の極めて強い業況からは上振れ可能性が高く、またベースの成長性も高い。公開価格比で2倍以上に上昇したとしてもまだ割高感は無い
小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。