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グロービング(277A)

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大企業向けの戦略コンサル。
実質2021年の事業開始ながら、少人数でのチーム組成モデルにより採用競争力と高稼働率を実現し外資系から続々とコンサルタントを引き抜いている

業績推移

DX推進、戦略策定などの大企業向けコンサルティング。

プロジェクト責任者レベルの経験を有するコンサルタントが出向などで深く入り込むことを軸に、少人数でのチーム組成を行うモデルを「Joint Initiative型」と呼称し、注力している。

少人数化の一方、クライアントに対し、
①軸となるコンサルタントは出向などで深く入り込むこと、
②情報ツールを共用すること、
③若手の業務をAIで代替すること、により質の維持を企図している。

戦略コンサルは一般に人数に応じた報酬をクライアントから得る仕組みだが、同社では人数を報酬の計算根拠としない方式をメインにしつつある。

これによりクライアントが支払う総額は低減され、それが価格競争力と高い稼働率に繋がり、1人当たりコンサルタント報酬の向上が採用競争力を実現し得る仕組みと言える。

戦略コンサルを利用するクライアント企業は「コンサル漬け」と言われるような依存状態になりがちだとされている。少人数化による弊害はあるかも知れないが、今のところは「コンサル漬け問題へのアンサー」として支持されているのかも知れない。

実質的な創業は2021年ながら、続々と大手外資系戦略コンサル出身者を引き抜いており、今も続いている。コンサルタント数は23年5月で72人、24年8月で129人。今後は年60-70人の採用を続けながら、400人を上限として考えている。経営陣は全て自身が外資系戦略コンサルの出身。

コンサルティングの領域としてはDX推進、特にクライアントにおけるAI活用推進ニーズが売上伸張を牽引している。 販売先はホンダ、パーソルクロステック、三井化学、MTGなど目論見書に記載されている上位社で4割ほど、上位10社では7割強と大規模案件に特化している。上位顧客の顔ぶれは期ごとに変わっているため、実質下請け的な要素あってのことではない。

粗利率は66%ほどで、原価のほとんどはコンサルタントの人件費。
販管費率は38%ほどで、コンサルタント以外の人件費、採用費、及び賞与がメイン。

四半期ごとの損益変動は大きいが、背景は採用費の増減にある。上場後は採用期を平準化していく計画としている。 24.5期の販管費率は採用積極化に合わせたベースアップと採用費によって大幅に高くなったが、25.5期の販管費率は23.5期並みに戻る計画。営業利益率についても同様。

公開価格に対し3割ほど高い5,000円を初値と想定した場合の25.5期会社計画PERは20.5倍。増収額が維持できると認識された場合はPER40倍の評価≒9,700円とイメージするが、クライアントの支持がある限り、コンサルタント400人達成まで今の採用ペースと稼働率を概ね維持、すなわち増収額を維持できるものと考える。

小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。