人生、斜に構えれば楽に生きられる。3
「子供を作らない選択」
私たちの時代(昭和)には、結婚することは当然のことで、おそらくそれ以外の選択肢はなかった。男性で30歳、女性なら25歳が近くなると「まだ結婚しないのか」という圧力がかかってきた。
今では「死語」になっているだろうけど、25歳過ぎて結婚しない女性は、「売れ残ったクリスマスケーキ」と揶揄された。
私には経験がないが、なかなか結婚しない息子・娘たちには仲人を趣味とするようなおせっかいな人々が現れ、「お見合い」という儀式で結婚を推進した。
もちろん、私の友人の中には結婚しなかった者もいるが、それは少数派に過ぎなかったし、変わり者と称された。
ところが今では、結婚しないことが珍しいことではなくなり、当然ながら子供の数が減るという状況が続いている。
国は躍起になって、少子化対策や結婚の推奨を行っている。国からすれば人口が減るということは、税収、働き手の減少、年金の若者負担増など様々な問題の元だからだ。
でも、よく考えてみよう。今の日本で結婚して子供を作ることに何のメリット(または夢)があるのだろうか。確かにいろんな面で豊かになり、便利な世の中になった。その反面、それらを享受するためには経済的に豊かでなければならない。
今や女性が働くことは当たり前になり、専業主婦という言葉さえ陳腐なものになりつつある。結婚して二人で稼げば、それなりの収入を得ることができ、これらの豊かな生活を享受することも可能だろう。
ところが子供ができると状況は一変する。お母さんは働けなくあり、お父さんの収入だけで生活することは決して楽ではない。(一部の高給取りは除いて)
そして子育てには、お金がかかる。中学ぐらいまでは、まだよいとして高校、大学へと進学するととてつもない出費となる。我が家は3人が大学に進学したが、生活費も含めれば一人当たり一千万前後かかっている。
3人とも無事に卒業して社会人となってくれたが、親としてできることは、そこまでだった。
定年を迎えても貯蓄など出来ていようもなく、年金受給までの空白期間は再就職しなければならない状況となる。国は定年延長や再雇用を推進しているが、ほとんどの人は、そんなことは言われなくてもやらざるを得ない。
また子供たちの将来に対しても、夢が見られるという状況ではない。私は子供たちに結婚を進めていない。結婚しても子供を作ることに対しては疑問符をつける。
子供を作らないのなら、結婚する必要もない。恋愛は大いにすればいい。でも子育てだけで人生を終えるような生き方が、果たしていいのか考えてみては。
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