【第3話】香水兄さん
口開け(その日の1組目のお客様)で1お人のお客様がご来店。
見るからにホストっぽい黒いスーツ。
小柄で色白のほっそいほっそいお兄さん。
それ以上に気になったのが香水。
もう一瞬で店の外も中もあたり一面そのニオイになった💦
たこ焼きの油のニオイを打ち消すほど😂
今思い返しても、お客様歴代1位2位を争うほどの香水のキツさ。
「呑むだけでもいいかな?」
「どうぞ〜」
「よかったらお姉さんも1杯飲んでよ。」
「ありがとうございます!!お兄さん、沖縄ご出身?」
「やっぱりわかる?」
「沖縄出身の友人知人が多いのですぐわかりました笑」
「東京来て10年以上経つけど沖縄弁しか喋れなくてさぁ😅でも沖縄帰ったらナイチャーになったって言われるんさぁ笑」
「全然なってないですよ笑。沖縄弁丸出しのウチナンチューでしょ笑」
「だよねぇ笑。でも向こうからしたらそうなんだって😅ってかウチナンチューとかよく知ってるねぇ」
ナイチャーとは沖縄弁で沖縄以外の本島出身者の事。そしてウチナンチューとは沖縄出身者の事。
「大阪住んでた頃に沖縄の人が多いエリアに住んでてバイト先で色んな沖縄弁教えてもらいましたから😉その人達もみんな大阪弁全然喋れなくて沖縄弁のままでしたよ笑」
「やっぱりぃ笑」
「うちも関西帰ったら東京に染まったとか言われますけど、そもそもうち足立区生まれで7歳まで関東を転々としてたんで言葉は関東弁と関西弁のバイリンガルです✌️」
「羨ましい笑。俺そんな器用じゃないからさぁ😅」
その日以来、出勤前に立ち寄ってくれる様になった。たいてい口開けでいつも黒いスーツ。そしていつもの香水。
ある時気になって訊いてみた。
「いつもどこにどれだけ香水つけてるの?😅」
と言うと、
「見せようかぁ?笑」
と、いきなり店内から一歩後ろに下がって外に出て、カバンから香水を取り出したかと思うと、御本人のお顔の斜め上空に香水を数プッシュ。そしてその香水アーチを大急ぎでくぐると、もう一度振り返ってさっき香水を振った位置にもう一度香水を振り撒いて、また大急ぎで香水アーチをくぐった笑。
「まぢで!?いつも家の中でそれやってんの!?」
「玄関でね。これホストの常識😁」
そりゃそんなニオイにもなるわ😂
そしてそろそろ呼び名ぐらいお訊きしておかないと不便になってきた。
「なんてお呼びすればいい?うちはぴんちゃん」
「知ってる笑。俺マサル」
「マサルさんかぁ……なんか呼びづらい😅」
「じゃあルーマサは?」
「あ、それイイ!!」
「お客さんも店の人も殆どルーマサって呼ぶね」
「うちもそうする♪」
ある日のこと。
以前から気になってた事をルーマサに振ってみた。
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