反論できない。2年間マレーシアで仕事をする機会を得た。赴任して間もなくシンガポールのチャンネル・ニュース・アジア(CNA)というテレビ局が「侵略に備えよ」という趣旨の啓蒙番組を流しており、日本軍の残虐行為がしっかり映し出されていた。「やられた方は忘れない」という言葉を思い出した。シンガポールにもマレーシアにも戦争の傷跡がしっかり残っている。
「東南アジアの人々はヨーロッパの支配から解放してくれた日本に感謝している」という話があるが歴史は正しく読みたい。アジア近現代史(岩崎郁夫著)に次のような記述がある。
最初アジアの人々が日本に期待したのは事実だが、日本は裏切った。歴史書(インチキじゃない限り)をしっかり最後まで読めばストーリーがわかる。これを自虐史観と呼ぶのだろうか。
東南アジアの人々が本当に日本軍に感謝しているかどうか現地の情報を見てみよう。ペナンの情報サイトPenang Wikiaが、第2次大戦中の日本軍占領について次のように伝えている。(原文は英語、DeepL翻訳によって和訳)
東南アジアの若者には日本語を理解する人が少なからずいる。日本の若者が「日本はアジアの植民地を解放した」とネットに書き込み、それを見つけたインドネシアの若者が抗議している場面に出くわした。鼻から勝負になってない。日本人は知識も根拠もなく書き込んでいるわけだから当然そうなる。しっかり歴史を教えてないからだ。見ていて恥ずかしかった。
Penang Wikiaには当時の出来事が現地ならではの詳細さで記述されている。今は翻訳サイトが高精度で訳してくれるので読むのに苦労はしない。ぜひ、現地の人の考えに触れてほしい。