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教員志望者が激減

 教員の志望者が激減している。私も元教員だが、自分の子供に教職は勧めなかった。それほど割に合わない仕事だと思う。学習塾を含めた教育産業は離職率が高い。精神を病む人も多く、体を壊す人も多い。それほど過酷な仕事だ。日本においては。
 「楽な仕事なんか世の中にないよ」と言われそうだが、その中でも教員はきつい。私は製造業も経験している。確かに楽とは思わないが教職ほど辛いと思ったこともない。現役の先生方を見ていると私の時代よりさらにつらい職場になっていると感じる。

 部活動、保護者対応、生徒間のトラブル、教員間のいじめ、思い付きで仕事を増やす人望のない管理職。多忙の現場に報告書を要求して多忙に拍車をかける議員連中。あげればキリがない。最大の問題点は教員の絶対数が不足していることだ。日本は教育現場の大変さを軽視している。現場の状況をもっともよく把握している教職員組合は、何年も前からこのままでは教員志望者が集まらなくなるといい続けてきたが、政府も日本社会も聞く耳を持たなかった。こうなったのは当然の帰結だ。

 生徒と人間関係を構築できない教員は管理職に逃げる。だから力のない管理職が増える。新任教員が苦しんでいても手を差し伸べることもできない。生徒が自殺しても事なかれ主義を貫き、自分だけは助かろうとする校長や教頭、市教委の担当者がいい例だ。かくして学校は戦場と化す。犠牲者はこどもたちだ。

 そんな現場で、矢面に立たされ、ぎりぎりの精神状態で最前線に立ち続ける先生方は多い。この人たちが学校を支えている。そして押しつぶされる場合も少なからずある。

 「こどもたちのために」という耳障りの良い言葉に騙されないことだ。苦しくなったら、逃げ出そう。命を懸けるほどの給料はもらってないはずだ。


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