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自分に厳しく、相手に厳しく~高校野球ハイライト延長戦2日目・彦根総合

スタメンは全員が1年生。新生・彦根総合が新たな船出を迎えた。率いるのは北大津で6度の甲子園経験を誇る宮崎裕也監督。「時代が新しくなりすぎている」という理由から旧制中学風のユニフォームに身を包み、栗東との初戦に臨む。

結果的に夏の壁は高かった。大会注目の左腕、栗東の小林純大投手を揺さぶっても内野安打や四死球は取れず、逆に守備の乱れから失点を重ねる。「やりたかった野球をやられた。気持ちを見せてほしかった」。宮崎監督は1年生の甘さをあえて厳しく指摘した。

一方で輝きを見せたのは3年生だった。ロングリリーフした主将の青山瑠己亜は5回3分の1を1失点。「絶対打ってやろうと思っていた」と話す打席では9回にヒットを放ち、唯一の得点につなげた。ホームイン後、ベンチや観客席に見せたハイタッチに3年間の意地を見た。

コロナ禍に監督交代、そして多くの1年生入学。激動だったはずの3年間を笑顔で振り返る。「1年生にレギュラーを取られても、悔しかったら練習するだけだと仲間に言ってきた。自分に厳しく、相手に厳しく。3年間続けてこられたのは誇りだと思う」。強くて礼儀正しい「名門」誕生への思いを後輩に託し、頼れる主将は船を下りた。

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