2年ぶりの滋賀大会は本命不在?世代ランクと主観で行方を読み解く
6月22日、第103回全国高等学校野球選手権滋賀大会の組み合わせ抽選会が開かれました。2年ぶりに開催される滋賀大会の見どころを、世代ランキングを参考に紹介します。丸数字はランク順で、10位以上をランカー扱いします。
【大会全体の展望】
今年も①近江が他校を離しランク1位を保っています。ただ去年の夏以降は優勝がなく、②滋賀学園に差を詰められています。絶対的な本命は不在。①近江と②滋賀学園に、春優勝の③綾羽を合わせた3校を軸と考えるのがベターです。
④立命館守山から⑨近江兄弟社までが第2グループに位置します。④立命館守山は春の県大会で①近江に勝利。秋・春とも入賞した⑦比叡山も高い前評判を誇ります。ランク10位以降はポイント差が少ないですが、12位タイの栗東だけが秋・春ともに入賞を果たし、実績では一歩リードしています。
新監督が多いのも今大会の特徴です。彦根総合の宮崎監督や光泉カトリックの伊藤監督など、野球ファンに知名度のある監督が注目されますが、八幡商業や水口、信楽(湖南農業と甲南との連合チーム)などで指揮を執る監督が新風を吹き込んでくれることも楽しみです。
【Aゾーン…綾羽の対抗馬はどこに―】
ランカーは③綾羽と⑧彦根東のみ。③綾羽は総合力が高く、初の甲子園へ期待が高まっています。開幕カードの八日市―⑧彦根東は伝統校対決。栗東の長身左腕・小林投手は打者のタイミングを外すのが上手く、宮崎監督率いる彦根総合がどのような策を講じてくるか注目です。去年秋の21世紀枠推薦校・草津は湖南地域が固まったブロックでどのような戦いを見せるでしょうか。
【Bゾーン…近江が入って最激戦区に】
ランカーは①近江、⑥水口東、⑩瀬田工業。⑥水口東は去年夏に準優勝、1年生大会と今年春にベスト4と実績十分。5年ぶりにシードを取れなかった①近江は虎姫との初戦です。①近江では2年生ながら投打の中心・山田選手の活躍ぶりも注目されています。山田選手の中学時代の先輩で、北大津の4番エース・上坂選手は最後の夏。8年ぶりに単独チームとして出場する石部は、約20年ぶりに監督が交代した八幡商業と対戦します。
【Cゾーン…群雄割拠から抜け出すのは】
ランカーは④立命館守山、⑤光泉カトリック、⑨近江兄弟社、⑩伊香の4校。最もランカーが多い群雄割拠のゾーンになりました。④立命館守山はおととし秋に続き、今年春も近畿出場を果たした新興勢力。あとは夏の実績を積むだけです。⑤光泉カトリックは元阪神の伊藤文隆監督が初の夏采配。⑨近江兄弟社はポイントこそ高くありませんが、過去3年の夏はベスト4→ベスト8→ベスト8と安定した成績を収めています。
【Dゾーン…滋賀学園は初戦がヤマ場】
ランカーは②滋賀学園と⑦比叡山。②滋賀学園と水口の試合は大会屈指の好カードです。今年春は②滋賀学園の阿字投手と水口の藤原投手が好投を見せ、1点差ゲームでした。⑦比叡山は打線の評価が高く、例年とは違うカラーのチームが見られそうです。上位打線に俊足選手を揃えた去年秋ベスト8の彦根翔西館は、おととし1年生大会ベスト4の彦根工業と対戦。こちらも注目の一戦です。
2年ぶりに甲子園を目指すことができる夏。ただ、去年は決して「失われた1年」ではありません。独自大会を盛り上げた去年の3年生の思いも含め、今年の夏が一層熱くなることを期待しています。
【世代ランキング】
・最高学年入学後の実績をポイントで判定
・県大会は優勝10/準優勝8/3位6/4位4/ベスト8で2
・3位決定戦のない県大会はベスト4の2校が5
・1年生大会は×1/春は×1.5/夏と秋は×2
・近畿大会は春、秋とも出場3で1勝ごとに3
・全国大会は春、夏、秋とも出場5で1勝ごとに5
【例】2018夏の近江は40P ※滋賀大会で10×2、甲子園で5+5×3
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