イエスの言葉(マタイ5:28)

福音書のイエス・キリストの言葉。

【マタイ5:28より】

「しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。」(新共同訳)

「しかし、わたしはあなたがたに言う。だれでも情欲を抱いて女を見る者は、その女に対し心の中ですでに姦通の罪を犯したことになる。」(フランシスコ会聖書研究所訳)

「されど我は汝らに告ぐ、すべて色情を懐(いだ)きて女を見るものは、既に心のうち姦淫したるなり。」(文語訳)

「しかしわたしはあなた達に言う、情欲をもって人妻を見る者は皆、見ただけで既に心の中でその女を姦淫したのである。」(塚本虎二訳)

「だが私は言う、色情をもって女を見れば、その人はもう心の中で姦通している。」(バルバロ訳)


【感想】
・人は目で見ているようで、心でものを見ている。自分の心が投影するものを見ている。そして多くの場合そのことは意識されていない。
・罪はまず心の次元で始まる。そして人は本能的に罪を隠そうとする。
・楽園を追放されたアダムとエバの長子カイン。その末裔(まつえい)は原罪を引継ぐ。
・原罪は、今も心と身体の中を、蛇のように生き、蠢(うごめ)く。
・全てを飲み込み消費し尽くそうとする蛇。今躍動(やくどう)する生気を奪い、すべてを過去の記憶の反覆へと結晶化させようとする蛇。
・蛇の働きは社会において見られる。しかし蛇の本体は常に自己の中でのみ発見される。
・人の心の背後で、微(かす)かに蠢動(しゅんどう)する蛇の姿を、直視するイエス。

 

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