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総和論1 総和の基本と「冪乗和と重和」
総和とは$${\sum\limits_{k=m}^n s}$$と
表される3変数関数である。
n,m∈N(n,mは自然数)であり、n≧mである。
明示的に表すと、
$${\sum\limits_{k=m}^n k=m+(m+1)+}$$
$${(m+2)…(m+n)}$$である。
また、$${m=1}$$が一般的であり、
$${m≠1}$$でなければ表せない数式は
存在しないので総和は
2変数関数として使われる。
なので、今後、総和と
言った時は$${m=1}$$の場合を指す。
次に最も単純な総和を関数で定義する。
$${f(1)=1 n>1}$$ならば
$${f(n)=f(n-1)+n}$$
この時、$${f(n)=\sum\limits_{k=1}^n k}$$である
$${\sum\limits_{k=1}^n k}$$は代数的に表す事ができ、
総和を代数的に表す事は
総和の面白みの1つである。
代数的に表すとは、
有理数同士の有限回の加減乗除冪根で
表すという意味で、
代数的に表したその数式を
代数的解法と呼ぶ。
以下に$${\sum\limits_{k=1}^n k}$$の代数的解法の導出を示す。
$${\sum\limits_{k=1}^n k=1+2+3+…n}$$
$${2(\sum\limits_{k=1}^n k)=(1+n)+(2+(n-1))+}$$
$${(3+(n-2))…(n+(n-(n-1)))}$$
$${=(1+n)+(1+n)+(1+n)…}$$
$${=n(n+1)}$$
$${\sum\limits_{k=1}^n k=\frac{n(n+1)}{2}}$$
例えば$${1+2+3…+100=}$$
$${\frac{100(101)}{2}}$$である。
この代数的解法は直方体を
構成する正方形の
数として表す事ができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1725239032640-Vkirh05NN5.png?width=1200)
総和のkの部分は
他の数式に置換が可能であるが、
定数の場合、
$${\sum\limits_{k=1}^n m=m+m+m…=nm}$$となり、
kに指数や因子が掛かっている場合、
$${\sum\limits_{k=1}^n 3{k^2}=3+3(4)+3(9)…3{n^2}}$$
などとなる。
次に2乗和と2重和を考える。
2乗和とは$${\sum\limits_{k=1}^n k^2=1+4+9+16…}$$
であり、一般化した物は冪乗和と呼ぶ。
関数で表すと、$${f(m,1)=1}$$
$${f(m,n)=f(m,n-1)+{n^m}}$$
$${f(m,n)=\sum\limits_{k=1}^n k^m}$$
2重和とは$${\sum\limits_{k=1}^n \sum\limits_{k_2=1}^k k_2=}$$
$${1+(1+2)+(1+2+3)+}$$
$${…(1+2+3+…n)}$$である。
一般化した物は重和と呼び、
$${[m]\sum\limits_{k=1}^n k_m}$$と表記する。
関数で表すと、$${f(m,1)=1}$$
$${f(1,n)=f(1,n-1)+n}$$
$${f(m,n)=f(m,n-1)+f(m-1,n)}$$
$${f(m,n)=[m]\sum\limits_{k=1}^n k_m}$$
何故、この2つを一気に
紹介したかと言うと、
冪乗和と重和はそれぞれの代数的解法を
互いを使って求められるからだ。
ちなみに、1重和と1乗和は同じだ。
まず、2重和を考える。
$${\sum\limits_{k=1}^n \sum\limits_{k_2=1}^k k_2=1+(1+2)+}$$
$${(1+2+3)+…(1+2+3+…n)}$$
$${=1n+2(n-1)+3(n-2)+}$$
$${…n(n-(n-1))}$$
この式変形は下記の図で表せれる。
![](https://assets.st-note.com/img/1725239032684-3EkS1BPv2E.png?width=1200)
これを総和で表す。
$${=\sum\limits_{k=1}^n k(n-k+1)}$$
$${=\sum\limits_{k=1}^n kn-{k^2}+k}$$
$${\sum\limits_{k=1}^n k=\frac{n(n+1)}{2}}$$を使って、
代数的に表せる部分を代数的に表す。
$${=\frac{{n^2}(n+1)}{2}+\frac{n(n+1)}{2}-(\sum\limits_{k=1}^n k^2)}$$
$${{n^2}+n=n(n+1)}$$なので
$${=\frac{n{(n+1)^2}}{2}-(\sum\limits_{k=1}^n k^2)}$$
これにより、代数式と2乗和の2つに
分けられた事が重要だ。
そして、$${\sum\limits_{k=1}^n k=\frac{n(n+1)}{2}}$$を使って、
また別の形に2重和を変形させる。
$${\sum\limits_{k=1}^n \sum\limits_{k_2=1}^k k_2=1+(1+2)+}$$
$${(1+2+3)+…(1+2+3+…n)}$$
$${=\sum\limits_{k=1}^n \frac{k(k+1)}{2}}$$
$${=\sum\limits_{k=1}^n \frac{{k^2}+k}{2}}$$
$${=\frac{n(n+1)}{4}+(\frac{\sum\limits_{k=1}^n k^2}{2})}$$
この2通りの式変形を=で結ぶ。
$${\frac{n{(n+1)^2}}{2}-(\sum\limits_{k=1}^n k^2)=\frac{n(n+1)}{4}+(\frac{\sum\limits_{k=1}^n k^2}{2})}$$
$${\frac{2n{(n+1)^2}-n(n+1)}{4}=\frac{3(\sum\limits_{k=1}^n k^2)}{2}}$$
$${\frac{2n(n+1)(2(n+1)-1)}{12}=\sum\limits_{k=1}^n k^2}$$
$${\sum\limits_{k=1}^n k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}}$$
これで2乗和の代数的解法を得た。
これにより、2重和の代数的解法も得られる。
$${\frac{n(n+1)}{4}+(\frac{\sum\limits_{k=1}^n k^2}{2})=\frac{n(n+1)}{4}+\frac{n(n+1)(2n+1)}{12}}$$
$${=\frac{3n(n+1)+n(n+1)(2n+1)}{12}}$$
$${=\frac{n(n+1)(3+2n+1)}{12}}$$
$${=\frac{n(n+1)(2n+4)}{12}}$$
$${\sum\limits_{k=1}^n \sum\limits_{k_2=1}^k k_2=\frac{n(n+1)(n+2)}{6}}$$
さて、2乗和と2重和の代数的解法を得たが、
この2つは図形でも表す事ができる。
2乗和は6つの立体的な階段を
組み合わせた直方体。
![](https://assets.st-note.com/img/1725239032718-MEMn6X6BUi.png?width=1200)
2重和も同じ様に6つの図形からなる
直方体として表せる。
![](https://assets.st-note.com/img/1725239033362-mgbxeCyEnS.png?width=1200)
1乗和も2つの
図形からなる長方形として表せた様に
冪乗和と重和や総和というのは
配置,図形と深い繋がりがある。
1つの本質が
Σの世界,代数の世界,図形の世界に
顔を出していると言える。
さて、今回は2乗和と2重和を求めたが、
3乗和と3重和やその先は
どう得られるだろうか?
次回、それを書こう。
2重和の図形の引用元
https://x.com/prin_kemkem/status/1801593337830641843