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ふつうのキーボードでバチバチタイピングしてバキバキ肩凝ってる人に作って欲しい自作キーボードの紹介

結論

  • 首都圏住みならCorne Chocolate

  • それ以外ならwings42

自作キーボードって、よくわかんないし怖いよね

あなたは自作キーボードというものをご存知だろうか。
ここでいうキーボードは、楽器ではなく、パソコン等に接続して使用する入力機器の方だ。
自作キーボードとは、購入してそのまま使用できるふつうの量産品とは違い、パーツを集めてハンダ付けして組み立てるようなものを言う。

近年、日本国内でもパーツの調達先が充実してハードルも下がり、解説書等も発行され、界隈のファンによるイベントや動画配信等も行われるようになっている。
それでも、あなたの学校や職場、あるいは行きつけのスタバ等で、自作キーボードを見たことがあるという人はかなり少数派だろう。
その点、僕も多数派に分類される。つまり、身の回りで自作キーボードを使っているのは自分だけだ。

大抵、自作キーボードに辿り着くには、その前の段階がある。
いわゆる高級キーボードや、ゲーミングキーボードというやつだ。リアルフォースとかHHKBとかKeychronとか、ゲーミング系のメーカーでいうとlogicoolとかRAZERとか。
僕の場合も、いくつかこれらのキーボードを経由した上で、自作キーボードに辿り着いている。
この手の製品は、小さめのパソコンショップ等では取り扱っていないことも多い。値段も高い。キーボードに二万円とか三万円とか支払うという行為を、金をドブに捨てるも同然と思う方も多かろう。

だがその辺の話は飛ばす。すでにいくらでも解説記事があるし、なにより、時間とカネの無駄だからだ。

そんなことより肩凝りだ

そんな中途半端な段階を踏んでいる場合じゃないのだ。僕が訴えたいのは、「肩とか首とか凝ってヤバい」という人に向けてである。

デスクワークで、慢性的な肩凝りを抱えている人は多いと思う。僕もそうだった。これはミスタイプやフィーリングなんかより遥かに喫緊で、そして一般的な課題だろう。

タイピングしていて肩首が凝る最大の原因は、「腕が寄っている」ことだ。そのせいで肩も寄り、背中が丸まる不自然な姿勢を強制され、疲労が積み重なっていく。
(本当はディスプレイを上げろという話もしたいのだが、ややこしくなるのでここでは省く。)
腕が寄るのを解決するには、キーボードを割ればいい。左右に分割されたキーボードを、右手左手の自然な位置に置けばいいのだ。

分割キーボードがキクぜ、という話については以下の記事がよくまとまっていると思う。

今肩凝りに悩んでいるのならば、とりあえずリアルフォースから……とか言っている場合ではない。キーボードは割るべきだ。まずそこを出発点にしたい。
僕自身、(まあメルカリである程度回収はしたが)何万円と何年を無為にしたかわからない。

んで、分割キーボードというだけなら、必ずしも自作する必要はない。お試しなら、上記記事のように二台使うのが一番安いし、量産品でも入手できる。

あるにはあるのだが、共通する問題として分厚いというのがある。
これはほとんどの高級キーボードにもいえることだが、メカニカルや静電容量無接点方式のキーボードは分厚い。マジかよってくらい分厚い。なので、特にノートパソコンのキーボードに慣れている人には、めちゃくちゃ打ちづらい。

そこで、手を置くためのパームレスト(リストレスト)を使うという方法があるのだが、これがまた邪魔臭いし、マウスと併用するのがかなりしんどくなる。
さらに分割キーボードの場合、パームレストも分割になるわけで、合計四つの相互関係があって……位置決めがめんどくさいことといったらない。
キーボードとパームレストが一体になったような製品もあるのだが、やはりマウスとの併用は難儀だ。

実は、この「分厚さ」こそ、沼にハマった変態共と、救いを必要としながらそこに辿り着けないふつうの人々との、大きな溝の一つではないかと思っている。
三万くらいは支払えても、変態配列や分割には慣れられても、分厚さやパームレストに適応できない人は、かなり多いのではないだろうか。

だから、肩凝りに悩む人に最初におすすめすべきは、 「薄い」「分割キーボード」ではないかと思うのだ。

(あと、量産品の分割キーボードはUS配列ばっかというのもあるが、本題からどんどんずれていくのでこれも省く)

おすすめキーボードのよくある不安点を解説

というわけで、改めて、冒頭に書いたおすすめキーボードの写真を見て欲しい。

きんもーと思ったかもしれない。いや思っただろう。正直、ふつうのキーボードからいきなりコレは、相当に幅も高さも大きいジャンプになることはわかっている。
だが、最低限このくらいは跳ばないと、世界は変わらない。なので、かなり長くなるが、生じるだろう不安点について、丁寧に解説していこうと思う。

列が縦にズレてますけど???

一般的なキーボードは、キーが横にズレている。このズレを、キーボード界隈ではスタッガーと呼ぶ。
横にズレているということは、行・列でいうと行(ロウ)のズレなので、ロウスタッガードと呼ばれている。

これ、なんでなん???と思ったことはないだろうか?
すっごく雑に言うと、大昔タイプライターがそうだったから。打ちやすいからでも、作りやすいからでもない。ただの慣習なのだ。

横ズレのロウスタッガードに対して、縦、つまり列(カラム)ごとにズレた配列のことを、カラムスタッガードと呼ぶ。
これ、なんでなん???というのは、察しが付く人も多いのではないだろうか。指の長さに合わせているからだ。
それが万人に打ちやすいかというと、まあ異論もあって、碁盤の目のように均等に並べた格子配列(オーソリニア)が一番いいという人もいる。

しかし、僕はどうせならカラムスタッガードを体験して欲しいと思う。それは、キーボードに自分を合わせるのではなく、自分にキーボードを合わせるという、発想の転換だからだ。

しかし、学校や職場の都合、あるいはノートパソコンやポメラを使っているとかで、ロウスタッガードのキーボードを捨てられない場合も多いだろう。
例えば、家ではカラムスタッガード、外ではロウスタッガードを使い分けるということは、現実的に可能なのだろうか?

もちろん人によるとしか言いようがないが、個人的な意見を言えば、一度身に付けたロウスタッガードのタイピングが失われることはほとんどないと思う。フォークで食っていたものを箸で食うようになったからといって、フォークで食えなくなることはない。
もっとも、ロウスタッガードに嫌気が差すことは大いにあるだろうが。

キーが少なすぎるんですけど??? ていうか数字とか矢印とかないですわよ????

まず最初に言っておく。
おまえはこれから、「できるわけがない」というセリフを……4回だけ言っていい。
前項までに言ったのは1回にしか勘定しねえからな、あと2回だ。あと2回言ったらブラバしていい。

これはHHKBとかNiZでも同じなのだが、こういう明らかにキー数が足りないキーボードは、複数キーの同時押しで足りないキーを補うようになっている。
もうちょっと詳しく言うと、あるキーを押しっぱなしにしている間、他のキーの動作が変わるのだ。
(自作の場合はトグルとか、連打とか、他にもやりようはあるのだが、まあこれが基本)

こういった、同じキーに複数の動作を割り当てる機能のことを、レイヤーと呼ぶ。
例えば、デフォルトレイヤーに加え、1〜3レイヤーを追加した場合、実質的には4倍のキー数が利用できることになる。今回紹介するキーボードは42キーなので、42×4=168キーだ。
一般的なキーボードのキー数は100ちょいとかなので、余裕でカバーできることになる。

さらに、自作キーボードでは、あるキーを普通に押した時(タップ)と押しっぱなしにしたとき(ホールド)で、動作を変えることができる。
例えば、「タップしたらスペース、ホールドしたらレイヤー1」とか、「タップしたらz、ホールドしたらシフト」とか。
キー数などいくらでも増やせる…百でも千でもなんぼでも……ということだ。

ツワモノになると、30キーとかで使いこなしている人もいるのだが、さすがにそれはしんどいし、そこまで減らす必要もない。42キーというのは、手を動かさずに全キーにアクセスできる、おおよそ上限のキー数だ。
どういうことか。タイピングにおける指の定位置を、ホームポジションと呼ぶ。
一般的なキーボードの「F」と「J」キーに印がついているのは、そこに左手と右手の人差し指を置くためだ。(ホーミングキーと呼ぶ。)つまり、そこがホームポジションというわけだ。
ここから、上下に1行、左右に1列ずつ追加すると、左右3行6列ずつの3×6×2=36キーとなる。
Corne Chocolateとwings42には、左右3ずつの親指用キー群(サムクラスタ)もある。この真ん中に親指を置いておけば、1キーの移動で両脇にアクセスできるので、6キー追加して合計42キー。
このくらいが、指だけを動かして届く限界というわけだ。2キー離れるとちょっと厳しい。

手を動かさないということは、あるキーを常に同じ打ち方で打てるということだ。
この方が疲れないし、なにより圧倒的にタイプミスが減る。これが一体型だと、肩凝りは余計ひどくなったりするが、分割キーボードならその心配もない。

では、具体的にはどういうキーマップになるのか? 以下の記事に、Corne Chocolate(を含むCorneシリーズ)の初期設定キーマップが画像で紹介されているので、参照して欲しい。

覚えられるわけがないッ!と思っただろうか? それはそうだ。
何レイヤーもあるキーマップを覚えるのは難しい。というより、「覚える」必要はない。
よくわかんないから、とりあえず決められた通りで使ってみよう……という考えは今すぐ捨てて欲しい。無理がある。
そうではなくて、自分の欲しいキーを、あってほしいところに置くだけなのだ。別に、同じキーが一つしかあってはいけないわけでも、使わないキーまで配置しなければいけないわけでもない。
それなら、「覚える」というプロセスは発生しない。キーボードを自分に合わせればいいのだ。

とはいえ、そんなに簡単に設定を変えられるのかというと、できる。
今はVIAとかRemapとかいう便利なツールがあるので、設定画面を開いてマウスでひょいひょいといじるだけだ。ゲームのキーコンフィグと大差ない。

え、キーキャップ付いてこないの??? 何選べばいいかわからん!

各キーの直接指に触れる部分を、キーキャップと呼ぶ。その下にスイッチがあるわけだ。これはふつうのキーボードでも同じなので、分解清掃したことがある方にはすぐご理解頂けるだろう。
自作キーボードのキットには、基本、キーキャップは付属していない。それは自由に選んで用意してくださいね、ということだ。

今回紹介するキーボードに採用されているKailh chocという薄型スイッチは、より一般的なCherry MX(およびその互換)と比べると、キーキャップの選択肢が少ない。
じゃあそんなに迷わなくていいわね〜〜となるかというとそうでもなくて、その少なめの選択肢がどれもけっこう尖っている。その中で、

  • 簡単に入手できる

  • 安い

  • いいプラスチックを使っていて長保ちする

  • 形状が無難

くらいの条件で考えると、まあMBKになると思う。

中央が凹んでいて、押した時滑りにくく、打鍵が安定する。
ただ、ホーミングキーの印が、一般的な「突起」ではなく「縁の引っ掛かり」になっていて、指を置いただけだとちょっとわかりづらい。
主張が強すぎなくて良いという人もいるのだが、マウスの使用頻度が高くて頻繁に往復する場合、ホームポジションを取るのに少し迷うかもしれない。
あと、中央が凹んでいる=縁が出っ張っているので、サムクラスタに使うとちょっと痛い。(上から突き刺すような形ではなく、寝かせた指で叩くことになるので)

遊舎工房に行ける人は、店頭に展示されているキーボードについているので、スタッフさんに聞いて、触ってみてほしい。

もっと無難な形状のやつはないのかというと、LDSAがある。

ホーミングキーには突起があり、親指用の膨らんだ形状のキー(コンベックスキーと呼ぶ)もあり、素材は最上とされるPBTだ。
ただ、国内ショップでの取り扱いがない、つまり個人輸入になるので、全部英語だし送料がイカツい。というか送料が本体。
あと、まだファーストロットなので、「スイッチにはめる部分がちょっとキツかった」「スプルー(プラモでいうランナー)を手作業で切ったのでちょっと出っ張ってる」「気になるなら削って」ということらしい。
僕自身は買ってないので、使用感はなんともいえない。スペック的には一番丸いと思うが。

使ってみてどうも馴染まないということなら、個人が3Dプリントで提供しているものが色々ある。dmm.makeの値上げがあって、今後どうなっていくのか不透明なところもあるが……とりあえず、特にサムクラスタ用のおすすめを紹介しておく。

つったって、自分で作るとか怖すぎるんですけど……工具も必要なんでしょ?

わかる。それはそう。僕も自分で組み始めるまでにはだいぶグズグズした。

今回Corne Chocolateとwings42を選んだ理由のひとつもそこにある。この二つは、組み立てに関するサポートサービスが利用できるからだ。

Corne Chocolateは、東京は秋葉原周辺の遊舎工房で取り扱いがある。ここには工具機材が揃った工作室もあって、スタッフによるサポート込みだと2時間で4500円から利用できる。
まあ、遊舎工房なら自店舗で販売していないキーボードの組み立てでもサポートはしてくれるが、Corneなら行った脚で買えるしスタッフも慣れているし、ちょっとくらい部品ぶっ壊しても補充できるし、安心というものだ。

wings42はDaily Craft Keyboardのオリジナル製品であり、ここは実店舗がないので、買ってその場でサポートしてもらうことはできない。
しかし、代わりに13,900円の組み立てサービスがある。難しいところは全部やってもらって、ネジを締めるだけで完成させられる。
この金額だと一通りの工具を揃えられてしまうが、まあ、僕みたいに組み立て手順を間違えて自力リカバリー不能になる場合もあるので(結局遊舎工房行った)、心が折れそうなら利用をおすすめする。

というわけで、お金さえ払えば組み立て失敗して詰む可能性はまずない。少しは怖さも和らいできただろうか?

モバイルだから無線じゃないとイヤなんですけど!

わかる。それはそう。

現状、僕はモバイルでも有線で運用しているので体験談は語れないが、今回紹介するキーボードを無線化する方法は実は存在する。

それが、自作キーボード無線化基板、BLE Micro Proだ。公式サイトはちょっとイカツいので、wings42ビルドガイドの該当ページを参照して欲しい。

しかし、2022/07/30現在、BLE Micro Proの在庫は払底しており、入手できない。詰みである。
まあそのうち再生産されるとは思うのだが、こないだ入った時も瞬殺だったし、ちょっと待てば大丈夫だよ、とはいえない状況にある。

今入手できるオプションとしては、先日紹介したAZ-COREがある。

ただこれも、フリスクをケーブルでブラ下げて無線化〜〜?と言われると、ふつうのBluetoothキーボードと比べてあまりにかさばるのは否定できない。それだけで打ち捨てるには惜しい、面白いアイテムなのだが。

なので、どーーーーしてもパっと出してすぐ使える無線がいいとなると、僕もこれ以上分割キーボードをすすめることはできない。割れてるだけですっごいかさばるし。
その場合、分割ではないがハの字型の配置になっていてかなり腕を開ける、OWL-BTKB6402をおすすめする。

で、結局どっちがいいのよ?

どっちにもいいところがあるので、もう少し詳しく説明していこう。

Corne Chocolate

機能面での違いを述べると、光るとかキーボードのディスプレイで遊べるとかあるのだが、肩凝りとは関係ないので省く。僕も付けてないし。

設計上で最大の長所は、スイッチソケットの採用だ。通常、キースイッチは基板にハンダ付けして固定するのだが、ソケットがあると、そのまんま引っこ抜いて交換することができる。
これは非常に強い。なぜかというと、スイッチにはテッパンのおすすめがないからだ。

キーキャップの項でも述べた通り、今回紹介するキーボードにはKailh chocというスイッチが採用されている。
普通の分厚いスイッチに比べるとバリエーションは限られるのだが、簡単に調達できるものだけでも16種類くらいある。
なにより、スイッチほど実際に使ってみないとわからない部品はない。配列に慣れることで軽くしたくなったりするし、指ごとに変えたい場合もあるだろう。

そういった時、ハンダ付けをいちいち剥がすのは大変だし、破損のリスクもある。ぶっちゃけ、15000円くらいする電動ハンダ吸い取り機がないと到底やってられない。
しかし、ソケットならふんぬと引っこ抜くだけ。さすがに素手では厳しいので引っこ抜く工具くらいあった方がいいが、特別な技術が要ることではない。

もう一つの長所は、Corneシリーズが世界中で長く愛されている、定番の名機であるということだ。
これは、改造の事例や、オプション品が山ほどあるということを意味する。
しかも、Corneシリーズはオープンソースでもあるので、部品そのものを改変して作り直している例もたくさんある。

具体的にどういうことができるのかというと、例えばテンティングだ。
テンティングとは、キーボードの中央を持ち上げて「テント状」にすること。これによって手首が自然な角度になり、楽に打つことができると言われている。
例えばこのケースを使うと、内側をネジで持ち上げることができる。ネジを交換することで、高さも調節できるわけだ。

これは一例に過ぎず、合体して持ち運べるようにするとか、金属製のケースをつけて安定感を増すとか、さまざまな事例があるし、自分で改造する技術的なハードルも低い。柔軟性が非常に高いのだ。

もし、あなたが首都圏近郊に住んでいて、気軽に遊舎工房を訪ねられるなら、一台目としてはこちらをおすすめする。

wings42

こちらはスイッチソケットを採用していないので、スイッチが気に入らないとけっこう困る。
そこで、スイッチ選びの参考記事を書いたので、併せて参照していただきたい。

んで、こちらはこちらでおすすめできる点がいくつもある。

一つは、Corneより小指が担当するキーが近いこと。わずかな違いに見えるが、実際に使ってみると大違い。手首のひねりが大幅に軽減される。

さらに、キーとキーの間隔が通常の19mm×19mmではなく、17mm×18mmになっている。横は2mm、縦は1mm短いということだ。
そのため、キー数が同じCorneと比べてもさらに運指距離が短く、疲れづらい。
その分ストライクゾーンが狭いということもであるが、手を動かさない=キーを「探す」こともないので、ノートパソコンのキーボードなどに比べると全然気にならない。

また、プレート間に隙間がないということも非常に大きい。どちらもサンドイッチマウントと呼ばれる、プレートの間にスイッチを挟み込む単純な設計になっているのだが、Corneの場合はプレート間に隙間があるのだ。
なので、きったねえ部屋で使っていると、すぐ間にホコリが入り込んでしまう。電子機器にホコリが有害でないはずがないし、掃除も大変。なにより見た目がよろしくない。
wings42はプレートが密着しているので、そういった心配はないわけだ。

サポートを利用せず自力で組む場合、ファームウェアが書き込み済みというのもありがたい。組み立てた直後から、いちおう使えることは使えるのだ。

総じて、普通に組んで普通に使うだけなら、こちらの方が圧倒的にシンプルで、堅牢で、簡単といえる。
自作キーボードの一台目というより、キーボード自作の一台目としては、こちらの方がおすすめだ。
もちろん、首都圏近郊に住んでおらず、遊舎工房でサポート受けるのが難しい人の場合、こちらの方が安心だろう。

付け加えるに、wings42には様々な拡張プレートが用意されている。
無線化にもこれを使うわけだが、他にもキーを増やしたり、ロータリーエンコーダを追加することができる。例えば、キーボードに音量調整が欲しいなら、ロータリーエンコーダを使えば簡単だ。
柔軟性ならCorneだが、拡張性ならwings42が勝る。

あと、デザイン的にはこっちの方がカッコいいとも思う。

キーボードが変われば、世界が変わる

本記事は、「はじめての自作キーボード」系の記事としては、紹介しているキーボードも尖っているし、内容もかなり踏み込んでいると思う。
その代わり、どこを目指し、なにを調べればいいのかということについては、一通りまとめたつもりだ。

しつこいようだが繰り返す。肩凝りから解放されるためには、このくらいが最低限のジャンプだ。少なくとも僕はそうだった。
このくらいカネと習熟コストを支払えば、間違いなく世界は変わる。固定観念を打ち破り、自分をキーボードに合わせることから逃れられる。
一日中キーボードを叩いている人は大勢いるのに、そのほとんどは使いづらいキーボードに縛られたままでいる。キーボードが変われば、世界は変わるのだ。

まあ、ひょっとすると、あなたはもっといいキーボードのアイデアを際限なく思いつき、調整と改造と設計にのめりこんでしまうかもしれないが、それもまた楽しい人生だ。
Self-Made Keyboards in Japan Discord Serverには同好の士が大勢いて、困った時には親身になって助けてくれもする。自作キーボード界隈の変態はマジで紳士的なので、不安があったら気軽に飛び込んできてほしい。

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