STAY HOMEという労働

批評家・若松英輔さんの音声メルマガを定期的に聞いている。ユダヤ人の哲学者「ハンナ・アーレント」の「人間の条件」という本を題材に「仕事」と「労働」について話されていた。

現代は「仕事」をしていないと価値がないなんて、風潮もどこかにあって仕事が量的に語られてしまう一方で、「労働」は徹底的に質的である。そして「命」と密接に関わっている。とおっしゃっていた。困難が立ちはだかるとき、病気で思うように動けないとき、人は最も尊い労働をしている。

今、家の中で息をひそめてじっとしていること、離れている誰かを想うこと、暮らしや大事なものについて、そしてこれからを考えること。それはまさしく「人間としての労働」なのかもしれないな、と思った。

最後に「活動」について。人はひとりでいるときに、最もひとりではなく、何もしないとき、最も活動的である。そんな一節があった。すぐにはわからないから、繰り返しぼんやり考えてみる。わからないけれど、忘れたくないなって思う。


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