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シーズン1・Scavenger/ダンジョン&ドラゴン

第一話・荒くれ者のスカベンジャー

翌朝、早く起きると酒場へ行くと、亭主が店の前を掃除していた。気付かれないように近づき声をかける。
「おい。アイツラはどこに行った?」
びっくりした顔でバザンを見て、真顔に戻ると
「なんだお前かぁ、何かようか?」
胸ぐらをつかむと「アイツラはどこへ行った?」
手のひらを前に出すと金を請求してくる。

「金貨2枚、金貨2枚出すなら教えてやる」
この世に及んで金を出せと言う亭主に呆れたバザンは手を離すと、腰にぶら下げた財布から、なけなしの金貨1枚を出し亭主に渡す。

「今はこれしかない、頼む」
亭主は黙って金貨を懐に入れると、
「アイツラはあの山に行ったよ」
指さす方向にある山、かつて一匹のドラゴンがその山にすみつき、村の住人達を苦しめていたが、この村にやって来た勇者達がドラゴンとそこに住むモンスターを退治したとか、バザンは「なんでアイツラは、そんな場所に行ったんだ」と訊くとこちらに振り返って「スカベンジャーだからだよ」
「スカベンジャー………ってなんだ?」

スカベンジャー……聞いたこともない言葉に混乱する
バザンは亭主に詰め寄ると、スカベンジャーについてあれやこれやと聞くこと数分後、亭主に礼を言うと一旦家に帰り、バッグパックに必要な道具を入れ部屋を出てる。

階段を降りると高齢の母が「どこに行くのバザン」
と訊いてくるが、ぶっきらぼうに「山へ行く」と言って玄関でウィングシューズを履いて外に出る。
「さて、行くか」
ゆっくり走り出すと、徐々にスピードが上がりその勢いまま、スカベンジャーがいる山へ走っていく。



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