【クリアレビュー】ゼルダの伝説 時のオカリナ(1998)若いゲームクリエイターの全ての情熱を詰め込んだ傑作
NINTENDO64版ゼルダの伝説 時のオカリナが発売されたのが1998年の11月21日。それから23年が経過しようとしていますが、ようやく初見プレイ&クリアすることができました。
50時間超遊んだので様々な想いがありますが、「難しい」が最初に来ます。
やっぱりこのゲームは難しいです。決して万人にオススメできるゲームじゃない。
詳しくは後述しますが、2021年に1998年のゲームをプレイすることがその主原因なので、遊びやすくないのは仕方ない。
ただその難しいという一面を除いては、楽しくプレイすることができました。純粋に素晴らしいゲームだなと評価できます。あの時代にこんなゲームがあったという奇跡を感じるし、日本だけでなく世界中で高評価だったことにも納得できます。
前置きが長くなりましたが、語りたいことがたくさんありますので語っていきます。
4500字ほどありますので、おヒマな時にどうぞ。
プレイ時間とゲームの達成度
・プレイ時間 約53時間
・プレイ開始日 2021年11月1日
・クリア日 2021年11月18日
・ハートのかけら 17+1/4
・黄金のスタルチュラ 45
その他やりこみ要素のビッグポゥ集め・わらしべ・ゲルドの修練場などは未クリア。
・4つめのビン
・氷の矢
・ダイゴロン刀
この3つは未取得のままクリア。かかしに関しても何もせずスルーしました。
つりぼり・やぶさめもやっていません。
唯一の例外としてエポナのレースだけやりこみました。
49秒を出すために、2時間くらいあのコースをひたすら走りましたね。
僕にとってのトラウマは「水の神殿」ではなく、エポナのレースです。
プレイ済みのゼルダの伝説
・ゼルダの伝説(1986)
・リンクの冒険(1987)
・ゼルダの伝説 神々のトライフォース(1991)
・ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(2017)
印象に残った名シーン
1 エンディングでゼルダに会いに行くシーン
どちらも無言なのがいい。こちらに考えさせる余韻を与えてくれる。
2 ダルニアのダンス
硬派な男と愉快さのミスマッチ。好きですダルニアさん。このゴロン族のなんとも言えないキュートさはブレワイにも受け継がれていますね。
3 ルト姫を抱えてダンジョン探索
謎解きのために「姫を投げる」ってのが斬新でゼルダらしい。
好きなNPC
賢者全員 セリフの少なさの割には印象に残る人ばかり。サリア尊い。
マロンちゃん 歌姫の称号は彼女に。お父さんを影で支える健気な牧場っ子。
城下町の回るカップル 夜は大量の犬たちが周りにいたこともあって、特にシュール。忘れられない光景です。
ミド リンクの邪魔をする時のあのステップが忘れられない。
風車おじさん 動きが面白すぎた。存在が謎。あそこで何やってるの?動力源?
ゴロン族全員 とにかく可愛い。話しかけた時の、「ウゥウーア」みたいな声も好き。
大妖精の皆様方 ツッコミどころしかない動きとデザイン。当時の開発スタッフが皆30歳前後だったこともその理由だと推測します。若者が攻めた結果があのデザインです。
大工のイチロー ブレワイのサクラダさんがなぜ野球のイチローさんに似ているかという謎がようやく解けた。こんなルーツがあったのね。
マラソンマン 50時間プレイして、一度だけ遭遇することができました。徹底してプレイヤーを笑わせようとする開発スタッフのみなさまのおもてなしを感じます。
挙げていけばキリがないのですが、人間味あふれるキャラクターたちに癒されました。
苦労したダンジョン
1 水の神殿
悪名高い、時オカ最大の難所。
「ここがクリアできなくて諦めた」という少年時代のトラウマもよくわかる。
とにかく作りが複雑で、攻略サイトを見ながらのプレーでも全く構造を理解できませんでした。
そしてヘビィブーツの着脱が死ぬほど面倒。3DS版は改善されているようなので、機会があればそちらをやってみたい。ギミックとしては面白いが、この仕様はなんとかして欲しかった。
2 闇の神殿
雰囲気やBGMが普通に怖い。
ギロチンはあるし、ゾンビはいる。おまけにクモが連続で降ってくる廊下あり。
ここまでホラー要素に振ったダンジョンは、ある意味でバイオハザードよりも怖い。
USJのマリオワールドの横に作ってくれたら僕が行きます。
3 魂の神殿
子供時代と大人時代でエリアが分けられていて混乱した。フックショットの場所もわかりづらい。顔が壊れてその先にボスがいるという設定は斬新。
中ボスのアイアンナックにも苦戦。僕の腕ではヒットアンドアウェイができなかったので、最終的にはZ注目+ボムチュー&爆弾投げで倒した。
苦労したボス
1 大魔王ガノンドロフ
テニスのラリーに勝利→光の矢で射抜く→真ん中の足場まで移動して剣で斬る。
ダメージを与えるには、この3つを繰り返す必要があるのですが、光の矢で射抜くための的が小さいし、時間的猶予が少ないのもあって何度も逃げられました。そのたびに発狂。
エイムの感度が良すぎて微調整ができないのがその原因。
スティックをちょっと動かしたら、カーソルがめっちゃ動きます。
これはスイッチ版だからこその難易度アップだと思いますが、このエイムで安定して弓を当てられる人は「微調整の賢者」という称号を与えたい。
光の矢を放ちMPもそれなりに消費するので薬が必須。
強いというか、操作に苦しんだボスでした。戦闘そのものは楽しいです。
まさかゼルダにテニス要素があるとは・・・
2 ツインローバ
ミラーで跳ね返すのがほぼ運要素。
Z注目できないので、2人のローバを視界に入れるのに苦労した。
3 ボンゴボンゴ
太鼓の振動で宙に浮くのが地味にストレス。
迫り来る本体をロックオンできず、手動でエイムしたので全然当たらなかった。
良かったところ
・いつでもセーブ・ロード機能が使える
この難易度の高いゲームをまじめにやったら、クリアするのに100時間はかかったと思います。いつでもセーブありきでプレイできたので助かりました。
・音楽が耳に残る
ゼルダの子守歌・サリアの歌・エポナの歌など耳馴染みの良い名曲たちに癒されました。
嵐の歌は普通にかっこいい。
ブレワイで知ったゾーラの里の曲は、オリジナルの時オカバージョンでも神曲でした。
・BGMに臨場感がある
ブレワイのアンビエントな感じとは違いますが、時オカにも「音によるおもてなし」を感じました。歩いていて気持ちいいです。
始めたばかりの頃はBGMの主張の強さに違和感を感じましたが、あの時代はこんなものだったなと徐々に慣れました。ハイラル平原の曲はワクワクしますね。
・ストーリーに趣がある
時を移動するという設定は開発後期の思いつきで「後付け」らしいのですが、そのおかげでストーリーに奥行きがあります。あの容量でこれだけ奥深い物語を描いた当時のスタッフのセンスに脱帽です。
・難しい
謎解きが難しいからこそ、クリアした時の喜びがある。
攻略を見ながらクリアした人間が言うことではありませんが、それでも達成感は尋常じゃなかったです。自力でクリアした人は全員勇者。
・エンディングが素晴らしい
全員大集合のエンディング。欠けている数人の人たち。
楽しさと切なさを同時に感じました。
悪かったところ
・カメラが回せない
初見プレイの時にも書きましたが、最後までこれに苦しめられました。
「こんな時はカメラを回してアングルを変えたい」と思っても当時はそんな機能はなく、リンクの動きに合わせてカメラが追尾してくるだけ。視点はこちらの都合では変えられません。それがダンジョンやボスの難易度も上げてましたね
・操作性が悪い
入力の遅延も含めて、コントローラー周りのストレスが尋常じゃなかった。
そもそもスイッチと64はコントローラーが違う。ボタンの数が違うものを無理やり移植しているので、割り当てがおかしい部分もある。仕方ない部分なんですけど、我慢しながらプレイしたというのが正直な感想です。
・ダンジョン攻略に2〜3時間かかる
ブレワイだと一つの祠を攻略するのに早いものは数分でクリアでき、小さな達成感を感じることができますが、時オカの場合はフツーに数時間かかる。クリアした時は達成感というよりも、脳が消耗しきっていて「やっと終わったよ」という気持ちでした。
2Dでゲームにハマった世代なので、3Dのダンジョンに脳が対応していないだけかもしれませんが・・・
時オカのダンジョンは、ライトゲーマーを脱落させる「ふるい」のようなものですね。
・ファストトラベル(ワープ)がない
オカリナでワープできるのですが、曲を思い出せない。時メモが必須でした。
一回吹いたあとは、選択肢から選べるようにすればよかったのでは。
・タイムアタックの設定が厳しすぎる
燭台に炎をつけるゼルダお馴染みのギミック。
時オカは、タイミングがギリギリなんですよ。ミスを許さない厳しめの設定。
下手な人を容赦なく切り捨てるシステムは、あの時代特有のものですね。
・イベントをスキップできない
特にラストバトルは何度もやるのでスキップしたい。
やっぱりゼルダが好き
3Dゲームの「当たり前」を創り出したのが、この時のオカリナ。
その3D黎明期の超名作をようやくクリアすることができ感無量です。
2周目を遊びたいというのが僕の中での神ゲー基準なので、時オカは神ゲーです。ただし、水の神殿だけは誰かにクリアしてほしい・・・
開発時のインタビューを読むと、3Dでやりたいことを全て詰め込んだというのが伝わってきますし、実際プレイしてみてもそうでした。50時間プレイしても残っているのですから、ものすごいボリュームです。
今の技術からすると荒削りで洗練されていないということになりますが、あの当時の衝撃は相当のモノだったはず。それをコントローラーを通じて体感できました。上手な人のゲーム実況を見るのと、実際プレイするのは違いますからね。
当時の人たちが感じたであろう、ハイラル平原を馬で駆ける感動は相当のものだったんでしょうね。日の出や日没も息をのむほど美しいし、夜の城下町(大人時代)はありえないほど不気味でした。
看板を剣で切れる技術もすごいが、その破片にもいくつかバージョンがある。その作り込む技術は23年経った今でも全く色褪せていません。それを積み重ねていくわけですから、ブレワイで全ての壁に登れるようになるのも納得です。
あらゆるところに、クリエイターのアイデアが詰まった濃厚なゲームでした。
エンディングを見ていて思ったのですが、青沼さんの名前が見つからない。確か青沼さんは時オカの開発スタッフだったはず・・・
ゼルダといえば青沼さんなんですけど、なぜかクレジットに名前がない。
調べたところ時のオカリナ開発当時は「小野塚英二」という名前でゼルダに関わっていたらしく、任天堂の自由さを感じます。
エンドロールのGame System DirectorsのところにEiji Onozukaと名前がありますね。青沼英二という名前に変えたのは、いつからなんでしょうかね?もし知っている人がいたら教えて欲しいです。
3Dゼルダの礎を作ったのが時のオカリナ、その究極進化系がブレスオブザワイルド。その歴史の流れを堪能することができた有意義で濃厚な20日間でした。
エンディングでは涙は出なかったけど、コントローラーが事切れた
充電がなくなるほどの激闘
これでクリアしたゼルダに時のオカリナを加えることができます。
開発のみなさま、よいゲームを本当にありがとうございました。これからも素敵なゼルダを期待しております。
2021年11月21日は、神々のトライフォース発売30周年の節目。そして時のオカリナの23回目の誕生日でもあります。神々のトライフォースを少しずつ進めながら、時のオカリナのやり込み要素をプレイする予定です。
そして本日ゲオのブラックフライデーセールで、スカイウォードソードHDを買ってきました。今すぐにプレーはできませんが、こちらもゆっくり楽しみたいです。
Nintendo Switch Online+追加パックにムジュラの仮面が加わる日も楽しみにしてます。
長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。