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ワイコフ理論とは?法則やサイクルの種類、FXトレード手法を解説

為替市場には古くから伝わるチャートパターンがたくさん存在します。
その中で、トレンドを分析するのに有効なチャートパターンが「ワイコフ理論」です。

ワイコフ理論とは、アメリカ人の投資家リチャード・D・ワイコフ氏が提唱したチャートパターンです。
中長期的なトレンドを分析するのに向いている理論で、スイングトレードなどで大きな利益が期待できます。

この記事では、ワイコフ理論の法則やサイクルの種類、FXトレード手法、おすすめの本3選をご紹介します。
相場の方向性を予測する力が身につき、知っておいて損がない知識なので、ぜひ最後まで読んでワイコフ理論を使いこなしましょう。


ワイコフ理論とは

ワイコフ理論とは、1930年代にアメリカ人の投資家リチャード・D・ワイコフ氏によって開発されたチャートパターンです。
リチャード・D・ワイコフ氏は、株式トレーダーで投資コンサルタントやジャーナリストでもあります。

もともと株式相場で用いるために開発された理論ですが、為替相場でも応用できます。

ワイコフ理論を一言で言うと、「トレンドの定義を需要と供給、市場の心理を考慮するテクニカル分析」です。
為替相場は、ランダムで上がったり下がったりしているわけではなく、必ず需要と供給によって形成されるということです。

大衆心理を理解することで、トレンドの把握が容易にできて、FX取引でも大きな利益が狙えるようになります。

ワイコフ理論の法則・ルール

ワイコフ理論には3つの法則・ルールがあります。

  1. 需要と供給の法則

  2. 原因と結果の法則

  3. 価格と結果の法則

それぞれ詳しく見ていきましょう。

需要と供給の法則

まずは「需要と供給の法則」です。
需要が供給を上回れば相場は上昇し、供給が需要を上回れば相場は下落するという法則になります。

  • 需要 > 供給 → 相場が上昇(上昇トレンド)

  • 需要 < 供給 → 相場が下落(下降トレンド)

  • 需要 = 供給 → 相場が均衡(レンジ相場)

原因と結果の法則

続いて「原因と結果の法則」です。
需要と供給はランダムに起こっているわけではないという法則になります。
つまり、相場には必ず原因と結果が結びつくのです。

以下は次の章で解説するワイコフ理論の4つのサイクルですが、必ず原因と結果があることを指しています。

  • Accumulation(原因) → Mark Up(結果)

  • Distribution(原因) → Mark Down(結果)

それぞれのサイクルについては次の章で詳しく解説します。

価格と結果の法則

最後に「価格と結果の法則」です。
相場の変化はプライスアクションとボリュームで表現できるという法則になります。

  • プライスアクション:ローソクの値動き

  • ボリューム:ある期間で取引された数量

この2つの関係を見ることで、今後の相場の変化を予測しやすくなるのです。

  • プライスアクションとボリュームに相関性がある:
    トレンド継続

  • プライスアクションとボリュームに相関性がない:
    トレンド転換やレンジ相場

ワイコフ理論を構成するサイクル

ワイコフ理論は、以下4つのサイクルで構成されています。

  1. Accumulation:買い溜め相場

  2. Mark Up:値上げ相場

  3. Distribution:売り捌き相場

  4. Mark Down:値下げ相場

ワイコフ理論をトレードで活かすためには、4つのサイクルを理解することが必須です。
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

Accumulation:買い溜め相場

Accumulationは、長く続いたトレンド終了前に起こるレンジ相場を指します。
需要と供給のバランスが均衡しているため、値幅が小さいのが特徴です。

Accumulationは一見レンジ相場に見えますが、大口投資家が買い注文を仕込んでいるため、上昇トレンドへの兆しを指します。
仕込みが終わった時にトレンド転換方向にブレイクします。

Mark Up:値上げ相場

Mark Upは、相場が上昇し始める上昇トレンドを指します。
需要が供給を上回ることで、上昇トレンドが形成される可能性が高いです。

一方で、供給が需要を上回った場合は、下降トレンドが形成されます。

Distribution:売り捌き相場

Distributionは上昇トレンドのトップまたは、下降トレンドの底を指します。
買われ(売られ)続けたポジションが徐々に決済されて、再びレンジを形成するのです。

需要と供給のバランスが均衡している状態ですが、大口投資家がポジションを大量に仕込んでいる段階になります。

Mark Down:値下げ相場

Mark Downは相場が徐々に下降し始めるタイミングを指します。
供給が需要を上回り、下降トレンドが発生します。

そして再びAccumulationへと戻るのが、ワイコフ理論のサイクルです。

ワイコフ理論におけるエントリー/利確ポイント

ここでは、実際にワイコフ理論におけるエントリー/利確ポイントをご紹介します。
エントリーポイントがたくさんあるので、最初は覚えるのが大変かもしれません。
いきなり全ての場面でエントリーしようとせずに、1つずつ実践していきましょう。

Mark Up時のエントリーポイント

まずは、Mark Upのエントリーポイントをご紹介します。
Mark Upのエントリーポイントには以下の5パターンがあります。

  • Spring
    積極的なトレーダーが買い注文を入れる

  • BreakOut
    レジスタンスを上に抜けた時に買い注文を入れる

  • ThrowBack
    レジスタンスがサポートになった時に買い注文を入れる

  • Re-Accumulation
    レンジ後再び上に抜けたら買い注文を入れる

  • Correction
    上昇トレンド中にレンジを上に抜けた後に押し目買いをする

このように、上昇トレンドと言ってもエントリーできるタイミングがたくさんあります。
もちろん、Springでエントリーできれば大きな利益が期待できますが、その分損をするリスクも高いです。

一方で、Correctionまでエントリーできないと、リスクは低いですが、その分リターンも小さいです。
トレードに正解はないので、トレンドが発生したと判断できたタイミングでエントリーしましょう。

Mark Down時のエントリーポイント

  • LowewPeak
    積極的なトレーダーが売り注文を入れる

  • BreakDown
    サポートを下に抜けた時に売り注文を入れる

  • ThrowBack
    サポートがレジスタンスになった時に売り注文を入れる

  • Re-Distribution
    レンジ後再び下に抜けたら売り注文を入れる

  • Correction
    買いトレンド中にレンジを下に抜けた後に戻り売りをする

Mark DownでもMarkUpと同じことが言えます。
LowewPeakはハイリスク・ハイリターンで、Correctionはローリスク・ローリターンです。

リスク許容度によって、エントリーのタイミングを決めることが大切です。
どちらにせよ、利確タイミングや損切りのタイミングを決めてから、取引するようにしましょう。

ワイコフ理論の利確ポイント

ワイコフ理論における利確ポイントはDistributionの時です。
ここでは、上昇トレンドを例に紹介します。

ワイコフ理論では、トレンド終了後は「Distribution」のサイクルが形成されます。
Distributionは上昇トレンドの頂点を示すので、利確地点としておすすめです。

確かにこの後に、さらに上昇トレンドを形成する可能性もありますが、トレンド転換する可能性もあるので、Distributionで一旦利確しておくほうが良いでしょう。

ワイコフ理論を学ぶのにおすすめの本

ワイコフ理論の理解度をさらに深めるなら、本を読むことも選択肢の1つです。
ここでは、ワイコフ理論を学ぶのにおすすめの本を3冊紹介します。

  1. ワイコフの相場大学

  2. ワイコフの相場成功指南

  3. スイング売買の心得

それぞれ順番に見ていきましょう。

ワイコフの相場大学

ワイコフ理論提唱者であるリチャード・D・ワイコフ氏の著書です。
ワイコフ理論の成り立ちから基礎、応用まで全てが書かれています。

本格的にワイコフ理論について学んでいきたい人におすすめの一冊です。

ワイコフの相場成功指南

「ワイコフの相場大学」同様、ワイコフ理論提唱者であるリチャード・D・ワイコフ氏によって書かれた一冊です。
本書はワイコフ理論を用いて、より実践的なトレード手法が書かれています。

実際にチャートを用いた解説もあるので、本書を読むことでワイコフ理論への理解が深まります。
ワイコフ理論をトレードに活かしていきたい人におすすめの一冊です。

スイング売買の心得

ワイコフ理論を用いたスイングトレードの心得が書かれた一冊です。
相場の心理を読み、ワイコフ理論を用いながらスイングトレードを攻略する方法が書かれています。

ワイコフ理論は、相場の心理からトレンドの流れを予測する理論です。
そのため、スイングトレードのような中長期的なトレードが向いています。

スイングトレードで大きな利益を狙いたい人におすすめの一冊です。


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