[2024年5月・ファッションテックニュース]
ニューヨークの「The Met」で最新テクノロジーを活用した展覧会がスタート
米国のメトロポリタン美術館(The Met)で、展覧会「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美への追憶──ファッションがふたたび目覚めるとき)」がスタート。
生成AIや3Dデザイン、ホログラムといったテクノロジーが取り入れられており、ファッション史に名を刻んだ作品の数々を観るだけでなく、嗅覚、聴覚まで使い体験できる。
2024年9月2日まで開催。
「Reebok(リーボック)」が、デジタルスニーカー生成サービス「Reebok Impact」をローンチ。
「Reebok(リーボック)」は、AIやWeb3技術を活用するメタバース企業「Futureverse」と共同で、自社のスニーカー(「Pump」、「Classic」、「Club C」のモデルに限定)のデジタル版をオンデマンドで生成するサービス「Reebok Impact」をローンチした。
生成されたデジタルスニーカーは購入可能で、Fortnite(フォートナイト)やRoblox(ロブロックス)といったゲーム内での着用に加え、Unreal Engine(アンリアル エンジン)で機能する3Dファイルを受け取ることもできる。
The Aura Blockchain Consortiumの管理する製品数が4,000万を突破
LVMHグループやOTBグループ、Pradaなど40以上のメンバーで構成される非営利組織「The Aura Blockchain Consortium(オーラ ブロックチェーン コンソーシアム)」は、自社のブロックチェーン上で管理されるラグジュアリー製品の数が少なくとも4,000万個に達したと発表。
Balenciaga(バレンシアガ)がBFRNDとのコラボを公開
「Balenciaga(バレンシアガ)」は、同ブランドの音楽プロジェクト「Balenciaga Music」とフランスの作曲家でミュージシャンのBFRNDとのコラボレーションを公開した。
コラボレーションは、限定アイテムやオリジナルのプレイリスト、8ビットビデオゲームで構成。
ゲーム内では世界規模のコンテストも行われ、上位30人のプレイヤーには報賞が付与される。
また、限定アイテムにはNFCチップが埋め込まれたオールアクセスパスが付属し、ゲーム内4番目のボーナスステージにはNFCチップを介してのみアクセス可能となっている。
Hugo Boss(ヒューゴ ボス)が、新たなロイヤルティ・プログラムを発表
「Hugo Boss(ヒューゴ ボス)」は、ブロックチェーン技術を取り入れた新たなロイヤルティ・プログラム「Hugo Boss XP」を発表した。
商品の購入やブランドとのインタラクションを通じNFTを獲得したり償還することで、エクスクルージヴな商品やユニークなブランド体験などのオファーを享受することができる。
プログラムは、6月に英国で最初のバージョンがローンチされる予定。
Dolce & Gabbana(ドルチェ アンド ガッバーナ)のNFT購入者が、同社を提訴
「Dolce & Gabbana(ドルチェ アンド ガッバーナ)」のNFT “DGFamily”の購入者が、「Dolce & Gabbana USA」及びNFTマーケットプレイスの「UNXD」を提訴した。
NFTのデリバリーが遅れ、更に得られるはずだった特典も不十分であったことから、同NFTの購入により$5,800を失ったと主張している。
LVMHグループ主催の「Innovation Award 2024」、生成AI活用の動画生成プラットフォームを運営する中国企業がグランプリを受賞
LVMHグループは、同社が主催する「Innovation Award 2024」の結果を発表。
生成AIを活用し、3D製品モデルとクリエイティブブリーフからビデオを生成するプラットフォームを提供する中国のスタートアップ「FancyTech」がグランプリを受賞したほか、ジュエリーのスケッチからリアリティのあるレンダリングが可能なツールを提供する、米国の「BLNG」が特別賞を受賞。
日本の企業では、「株式会社ヘラルボニー」が"Employee Experience, Diversity & Inclusion部門賞”を受賞した。
雑感
記事の公開がかなり遅れましたが、5月もWeb3と生成AI関連のニュースが豊富でした。
特に印象に残ったのは、最近名前を目にすることが増えた「The Aura Blockchain Consortium(オーラ ブロックチェーン コンソーシアム)」のニュース。
前述したように、ヨーロッパの名だたるラグジュアリーブランドで構成される組織で、こうしたブランドにブロックチェーンを活用したソリューションを提供しています。
既に4000万以上のプロダクトが同社のブロックチェーン上で管理されているというのには驚きました。
日々ニュース記事に目を通していると、DPP(デジタル・プロダクト・パスポート)、NFCチップの製品への導入がヨーロッパでは進んでいると感じますが、日本ではこうした動きがほとんど見られません。
ブロックチェーンを活用した製品と製品データの管理、そして「ファッションのフィジタル化」は不可避な流れなので、Aura Blockchain Consortiumのようなソリューションを提供する日本の企業・組織の登場に期待します。