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人材業界で長く仕事をしていると「人材紹介の手数料は高いですね」という声をお客様から聞くことがあります。それって本当なのでしょうか?
今回は人材紹介事業の手数料(=フィー)について投稿したいと思います。まずは人材紹介事業のビジネスモデルから説明していきます。

人材紹介事業のビジネスモデルは成功報酬型

人材紹介事業のビジネスモデルは多くの場合、成功報酬型のビジネスモデルをとっています。(一部、エグゼクティブサーチ企業などで「リテーナー」という前金(=着手金)を事前に頂いてから人材サーチを行うケースなどの例外もあります)
つまり、採用を考える企業はあくまで候補者が入社した段階で費用が発生する形であるのが特徴です。その間までの例えば母集団形成や面接、各種調整(日程・年収条件)などの選考プロセスでは費用は一切かからず、この部分は基本的に人材紹介会社が代行するというのが一般的な形です。
問題はこの入社時に発生する手数料が高いのか、低いのか、適正なのかという事です。

人材紹介手数料の相場比較(国内・海外)

日本では人材紹介の手数料は一般的には「年収×35%」と言われています。
この年収はあくまで採用企業が採用する候補者に対して提示するオファー金額に対してというところがポイントで候補者の現在年収は関係ありません。
例えば現在年収が1,000万円の人に対して1,200万円のオファーを提示した場合はその金額が対象となりますし、逆に800万円のオファーという提示であれば対象となる年収はこの800万円となります。

この相場は私が以前所属していたリクルートが日本で人材紹介業が立ち上がった頃、圧倒的な営業力でマーケットを席巻しており、当時リクルートが提示していた料率35%が業界標準として根付いていった、という噂もありますが真偽は分かりません。
いずれにしてもこの35%というのが日本の人材紹介の業界では一般的な料率であるということが多いと思います。

一方で海外の人材紹介の手数料を見てみると例えばアメリカやシンガポール等では料率は年収×20〜25%が一般的です。それは転職が歴史的に見て日本に比べて当たり前の風土がある事や日本でも今普及しつつありますが、「リファーラル採用」やLinkedInなどのSNSを使った「ダイレクトリクルーティング」などの費用がほぼかからない採用手法が一般化しており、これらとの価格競争力などを考慮しているという点などが挙げられると思います。

そう考えると日本の人材紹介の手数料はグローバルで見れば高いということが言えるかも知れません。

人材紹介業はサービス業である

以前、私は「人材紹介業はサービス業である」という記事をnoteに投稿しました。サービス業である以上、そのサービスの対価としてこの紹介料の手数料が適正なのかを考える必要があると思います。
つまり一概に35%が高いとか低いという議論ではなく、その価値を払うに値するかどうかという観点が重要だと思います。

例えば
・マーケットに中々いない人材を見つけて紹介をしてくれた(=サーチ力)
・選考中の候補者の状況を丁寧にフィードバックしてくれた(=報連相)
・採用に向けての課題を教えてくれ、改善提案をしてくれた(=提案力)

等の行動を人材紹介会社のコンサルタントが行なったとします。

これらのどれか一つ(又はいくつかの組み合わせ)の行動ができていればいいという単純な話ではありません。
そうではなく、お客さまの採用のニーズをしっかりと把握し、採用決定というゴールに向けてのストーリーをお客様と握れているか、それに納得感を持っていただいているのか、といった点が大事なのではないかと思います。

その手数料に見合った価値提供を行えているのか?

 

結局はこれが手数料が高いのか、低いのか、適正なのか、ということに繋がるんだろうと思います。

カタリストエージェントの手数料について


最後に当社カタリストエージェントの手数料についてですが、当社は
「年収×35%」、ミニマムフィー(最低手数料)として150万円を基準にしています。

このことは当然、お客様に対してそれに見合ったサービスを提供して初めて満足いただけることだと思っています。
先ほど例に挙げた「サーチ力」「報連相」「提案力」を踏まえながら、更に一歩踏み込んでお客様の採用におけるゴールを共有して達成に向けての介在価値を発揮していきたいと思います。


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