人材紹介の手数料は何を意味するのか?
人材紹介の手数料が二極化
ここ数年、人材紹介の手数料が二極化していると感じています。
業績が好調な企業が多く、人材の獲得競争も激しい業界(例えばITやデジタル関連業界やコンサルティング業界など)では、いわゆる人材紹介の手数料率が年収の50%以上は当たり前で職種や企業によっては100%なんていうケースも珍しくありません。
反対に業績が厳しい企業や不人気業界と言われる企業では手数料率は標準の35%を下回り、30%などというケースも多くあります。
このような状況を受け、人材紹介会社のコンサルタントは料率が高い企業やポジションに注力し、一攫千金を狙う(=多くの人材紹介会社でコンサルタントは業績に応じたインセンティブ制度を導入しているのでこのような事象が生じます)という流れが強まり、より二極化が進んでいくというのが現在の人材業界の一つの側面と言えるのではないでしょうか?
そこで今回の投稿では手数料に注目して、「人材紹介の手数料の意味」について考えてみたいと思います。
人材紹介の手数料35%と100%では何が違うのか?
人材紹介の手数料で35%と100%のケースでは人材紹介会社のコンサルタントの売上も大きく異なります。
例えば同じ年収600万円の方を決めたとしても、手数料の料率が35%の場合は210万円の売上となり、これが100%だと600万円となります。
同じ1人の決定でも実に390万円の差がつくことになります。
ではこの差は何を意味するのでしょうか?
企業側から見れば、これが一人当たりの採用コストの差と見ることもできるでしょう。ただより重要なのは人材紹介会社からのサービスの提供価値という見方です。
人材紹介会社の手数料の内訳は何か?
以前、私は「人材紹介の手数料って高い?」という記事の中で人材紹介業はサービス業であるということを申し上げました。
詳細は下記を参照下さい。
その観点で考えた際に手数料の内訳としては下記のようなことが含まれていると思います。
要は、ターゲットとなる人材を見つけ出し、魅力付けを行い、一連の選考プロセスをクリアして、最終的には応募者の懸念を払拭し、採用に至るまでの全てにおける時間とコストに対する対価と考えることができると思います。
人材紹介の手数料が意味するもの
ここで先ほどの料率35%と100%のケースを改めてみてみると100%の企業で成約した場合は35%の企業に比べて、390万円多くの売上が入りました。
このことはその分だけ企業に多くの価値を提供できたのか?という観点で考えなくてはいけないというのが重要な点です。
冒頭で述べたように最近の手数料の二極化に伴い、安易に高い料率に飛びつき、また、企業も「○○月入社までは料率50%キャンペーンを展開します」などのキャンペーン合戦を繰り広げ、その傾向を一層助長しています。
もちろん、人材紹介会社としては高い料率で契約をしていただくことは大変にありがたいのですが、その分、それに見合ったサービスを提供していくということを考えていくことがとても重要だと思います。
最近はこの辺りの考えを持っている人材紹介会社は非常に少なく、とにかくスピード重視の単なるオペレーションで効率よく成約を目指していくというような業界の風潮がとても強まっていると感じます。
もっといえば、本来の人材業界で扱っている「人」や「組織」における興味関心よりも、高いフィーというある種のゲーム感覚でコンサルタント業務をしている人が増えているのではないでしょうか?
弊社カタリストエージェントでは
弊社カタリストエージェントでは手数料について「年収×35%」、ミニマムフィー(最低手数料)として150万円を基準にしています。
これが高いかどうかは、最終的にはお客様に判断をしてもらう他はありませんが、ここまで述べてきたように顧客へのサービス提供価値が価格(=料率)に見合っているのかという点は、日々意識して行動をしております。
このような日々の行動が結局は人材業界全体の底上げやイメージアップに繋がると信じています。
先日、このような話をあるエグゼクティブサーチの方とさせて頂いた際、とても共感を持って頂けました。また、この方以外にも人材業界を良くしていきたいと考える同業の人もたくさん知っています。
私もそのような方と一緒に少しでも人材業界全体に貢献できるように日々努力をしていきたいと思います。
人材の採用、転職におけるご相談は是非、弊社までお問い合わせ下さい。