スカウトサイトに依存する人材紹介会社
皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
先日、大手スカウトサイトのビズリーチより有効返信数及びヘッドハンターランクに応じたプラチナスカウト獲得通数の変更のアナウンスがありました。ポイントは、一言で言えば今までと比べて大幅にプラチナスカウトの獲得ができるようになったということです。
そこで今回はこの事例を踏まえて、スカウトサイトに依存する人材紹介会社について考えてみたいと思います。
今回のビズリーチのルール変更について
今回のビズリーチのルール変更ですが、詳細はここでは割愛しますが例えば有効返信数が11返信以上の場合、今まであれば70通が翌月に配布されましたが、それが今回の変更では200通になりました。同様にヘッドハンターランクによる獲得数も例えばSやAランクの場合、今までは30通の獲得でしたがそれが変更後は70通にこちらも大幅に増えています。
実はビズリーチのこのような大きなルール変更は今年の5月にもありました。それは今まで無料かつ無制限に送信ができた「通常スカウト」の廃止です。詳細は下記の記事をご参考ください。
こちらの記事では無制限で送信できた通常スカウトの廃止による「スカウト流通量の適正化」や送信数に限りがあるプラチナスカウトのみになることに起因する「ヘッドハンターの淘汰が進む」ことなどを指摘させていただきました。
ただ、今回のルール変更に伴い、少なくともこの「スカウト流通量の適正化」という観点では逆戻りをしてしまった印象があります。つまり、無制限ではないもののこれだけ多くのプラチナスカウトが獲得できるというルールに変わったことで以前と同じスカウトが飛び交う状態になってしまう懸念があります。ビズリーチ側では、「データベースにアクティブな会員が増えている」のが変更の理由としていますが、通常スカウトが廃止された経緯との整合性についてはやはり気になるところです。
大手スカウトサイトの方針変更に右往左往する人材紹介会社
以上見てきたビズリーチのルール変更についてですが、注目すべきはその中身はもちろんですが、それ以上に意識したいのはその頻度についてです。通常スカウトの廃止が5月ですから僅か半年の間に2回もこのような大きなルール変更があったことになります。
また、昨年末にはリクルートのスカウトサイトである『リクルートダイレクトスカウト』も大幅な方針変更がありました。詳細は下記をご覧ください。
こちらはそもそもAIによるマッチングの仕組みを導入するという斬新な試みでしたが今までのスカウトサイトの仕様と大きく異なっていたため、多くの人材紹介会社(弊社も含めてですが)で使いこなしていくまでには大きな戸惑いがあったのも事実ではないでしょうか?
いずれにしてもこの1年間に大手スカウトサイトの方針変更が度々あり、その都度、それに影響される人材紹介会社の姿というのが浮かび上がってきます。どのような変更があってもそれに従わらずを得ず、人材紹介会社はそのたびに右往左往している状態とも言えると思います。
このことは裏を返せば、多くの人材紹介会社がビジネスをしていくには今やスカウトサイトに依存しなくては成り立たなくなっているという業界の構造的な問題を示しています。このテーマは私も今まで何度かnoteで取り上げていますので下記をご参考になさってください。
そんな中、先日、業界の大先輩であるプロフェッショナル・サーチの武谷 広人さんが『12年間、スカウトサイトは利用していません』というブログを投稿されていました。
武谷さんはこの中で直近、12年間、スカウトサイトは一切使わず、実に業績の7割は過去のお客様のご紹介(ご友人・知人)からと述べられています。これこそ、究極の人材紹介会社のあるべき姿だと思います。
大手スカウトサイト依存からの脱却
弊社は現在、スカウトサイト経由での成約は約50%程度となります。残りはLinkedInなどのSNSやHP経由、リファーラル(=知人紹介)です。とても武谷さんのような状態ではありませんが、少しずつスカウトサイト依存率は下げていきたいと思っています。それは人材紹介会社の経営者としても対応すべき重要なテーマだと認識をしております。
もちろん、それは簡単なことではありませんが信頼と実績を積み上げることで徐々に実現できればと考えております。これからも目の前のお客様としっかり向き合いながら一歩一歩着実に行動していきたいと思います。
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