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出社か? リモートワークか? 出社編

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
先日、日経新聞にアメリカのアマゾン・ドット・コムが社員に週5日出社を義務づけるという内容の記事が掲載されました。<日経新聞:2024年9月17日掲載> 詳細は下記をご覧ください。

記事によると新型コロナウイルス感染拡大後、在宅勤務が続くなかで人員が急増し、(コロナ前の19年12月末の79万8000人から、ピークの22年3月末は162万2000人と2年あまりで2倍に膨らんでいる)企業文化に緩みが出たとして現在の週3日の出社を5日に戻すという内容が取り上げられています。

アマゾンの経営トップは、「オフィスで一緒に働くことの利点は大きいと確信している」と述べ、社員同士が学び合ったり新たなアイデアを生み出したりするには、在宅勤務ではなく出社が効果的と従業員に説明をしたとのことです。

また、この週5日出社の強制は「企業文化」を強固にする狙いもあると記事には書かれています。在宅勤務を続けていては、社員の当事者意識の強さや素早い意思決定、倹約といったアマゾンの文化の維持が難しいと経営が判断したとのことです。

今回はこの記事を踏まえて、出社の働き方について見ていきたいと思います。

出社するメリットは何か?

コロナ禍を経てリモートワークが普及している中で出社するメリットは何なのでしょうか?この点を人材業界という観点からまとめてみると概ね以下のようになるのではないかと思います。

《出社するメリット》
■コミュニケーションの活性化
・出社の最大のメリットはコミュニケーションの活性化です。
社員同士、リアルに顔を合わせて業務を行うことで様々なコミュニケーションが発生し、それがノウハウ共有にも繋がっていくという側面があります。人材ビジネスはコミュニケーションビジネスと言われている通り、このコミュニケーションの活性化は人材企業各社にとって最も重要視したいことの一つです。

■育成の観点
・もう一つは育成の観点です。
特に、新入社員や中途入社者を育成していくにはやはり対面で集中的にトレーニングをしていく方が効率的です。リモートワークでは中々、確認がしずらいメンバーごとのスキルや課題の把握などができる点も大きなメリットです。これはマネジメントサイドのみならず、育成をされる側にもすぐに分からないことを質問できるなどメリットがあります。

■成長への寄与
・出社することで当然、多くの社員と触れ合う機会が出てきます。
そのことで周りからいい影響を受けたり、自身のレベルを痛感したり、あるいは励みにしたりするなど様々な刺激を受ける環境に身を置く機会が増えます。これは主体性がある人にとってはとてもいい成長への起爆剤となると思います。 

 

出社するデメリットは何か?

それでは逆に出社のデメリットは何なのでしょうか?こちらもまとめると以下のようになるかと思います。

《出社のデメリット》
■時間的な制約
・出社のデメリットの一つは、まさに出社するためにそもそも「通勤」が発生するということです。つまり、通勤時間という時間的な制約が発生するという点です。コロナ禍前はオフィスへの通勤が当たり前でしたが、一旦、リモートワークが普及してある程度の便利さを享受した後で、そのメリットを捨てて元に戻るというのはそれほど簡単ではないかと思われます。

■距離的な制約
・また、出社前提ということになると距離的な制約も出てきます。例えば、大阪の居住者が東京の本社で勤務するというようなケースはリモートワークでは可能でしたが出社が前提となると転居をしない限り、難しくなります。これはまた同時に単身赴任などを含めた、家族との関係についても影響を与える可能性が出てきます。

■採用における優位性の低下
・上記の距離的な制約はまた、採用における優位性の低下にもつながります。例えば、リモート勤務が可能であれば全国あるいは全世界から人材を募集することができますが、出社ベースとなるとその範囲は大幅に狭まります。よほどの好条件か魅力的な仕事、または企業でないと優秀人材の獲得が難しくなるリスクがあります。

  

今後は出社回帰が進むのか?

ここまで出社するメリットとデメリットを見てきました。いくつかのデメリットがある中でも冒頭のアマゾンのように出社前提の人材紹介会社が最近は増えてきている印象です。

例えば、私の前職企業のジェイエイシーリクルートメントは当初から出社前提の会社ですし、最近急成長しているいくつかのベンチャー系のエージェントなども未経験者を多く採用しているということもあり、原則出社の会社です。

また、求職者の方でも最近はリモートワークではなく出社できる会社を希望するケースも増えてきています。これは今までの自身のリモートワーク勤務の中で孤独感を感じたり、相談できる人がいなくて困ったというようなことを経験した結果、社員間のコミュニケーションや自身の成長、モチベーション維持には出社することが必要不可欠であると認識している人が増えてきたことが要因の一つです。

今後、アマゾンの原則出社の方針転換に影響を受けて、日本の企業や人材業界各社が出社回帰の方向に動くかは分かりませんが、人材業界への就職や転職を考えている人はこのような働き方の観点で企業を見てみるのもいいかと思います。

今回は出社についてそのメリットとデメリットを見てきました。一方でベテラン社員や育児などをしている社員などからすればわざわざ出社することはむしろデメリットでしかないというケースもあるでしょう。そこで次回は働き方としてのリモートワークについて取り上げたいと思います。お楽しみに。

採用や転職の相談はお気軽に弊社までお問い合わせください。


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