すきなひとのすきなもの
好きな音楽家さんがツイッターに貼ったYouTubeの音楽を聴いていて、とても型破りで面白かった。(Crown Coreというグループなので気になる人は検索を。)
私はこういう風に好きな人が好きなものはチェックする方だ。普通に過ごしていたら知らないものを知ることができるし、自分が作品を好きな人ならそうそう外した趣味をしておられるはずはないと思っている。
私は趣味の方向がややマイナーな方向なので語り合う人がおらず、よくツイッターを検索して他人の感想を読んでいる。妙に今日は言及するツイートが多いな、と思うと、有名な方がYouTubeやツイッターで「好き」と言っておられる直後だったりする。芸能人にはあまり興味がないけど、同じものを好きだと親近感がわく。
前述したように趣味がマイナーなので感想に飢えており、その人のツイートについているリプライを見に行く。
…そうすると、大体ガッカリ、というかうんざりする。
例えばアイドルのM美さんが映画「たまたま、夏だった」を見て絶賛していたとする(いろいろてきとう)。大体アイドルの場合はポスターとかと一緒に自撮りした写真もついてる。
リプライ欄はこんな感じ。
「M美ちゃん、こんばんは(^▽^)/ 演技の勉強かな?エライ!」
「えむえむ(愛称)今日もかわいいね!」
「その映画は知らないけど(;^_^A、この間のM美ちゃんの映画は映画館で7回見たよ!」
「僕もM美ちゃんに初めて会ったのは『たまたま、夏だった』よ!」
…つまり、全く映画自体に興味がない。たとえ見ていたとしても、
「見てきたけど、主演はM美ちゃんのほうがずっと良かったよね!これからはZ子なんかよりM美ちゃんの時代!!」
とか。アンチが湧くと、
「バカの癖に映画見て勉強したふりしてるのかよwwwww」
「Z子さんに主役とられて悔しくないんですかぁ?」
みたいな…。こういうリプライが人によっては100個以上とかついている。もっと気持ちの悪いものも見かけるけど省く。大変だなぁと思う。
これは有名人が男性でも同じで、ファンの性別・年齢とか言葉遣いが変わるだけ。芸人さんだとアンチの割合がずっと高い。
大雑把にくくるけど、いずれにせよたくさんの人が「私を見て!!」しか言っておらず、大好きなはずの彼らの話を聞いていない。
不思議でしょうがないんだけど、本当に好きな人ならその人の好きなものが気にならないんだろうか。同じものを見たり経験したりしたい…と思わないんだろうか。少なくとも私は過去に好きな音楽家の話をして次の日には「聴いてみたよ」と言った男性には心が動いた。
有名人だって、自分の好きなものを分かち合いたいからSNSなんかで公表するんじゃないだろうか(一部のステルスマーケティングを除く)。彼や彼女の勧める本を読み、映画を見ていれば、もし万が一どこかで会えたとき、「ファンです」とか「本当にきれいですね」みたいな死ぬほど彼らが聞く言葉じゃなく、少しは共通の言語を持つ「人間対人間」として話せたりするんじゃないだろうか。度を超すとちょっとストーカーっぽくはなるけど。
もし本当に好きな人がいたら、ただ「私を見て!」と叫ぶんじゃなく、その人の好きなものを一緒に味わってみたらいいんじゃないかな、という話でした。たとえ振り向いてもらえなくても、そこで触れたものは残りますし。