大人へ絵本memo ~昭和が舞台の奇妙な話~
初版本は1975年なので子どもの頃から何度も目にしていながら、正直全然興味の無い題名だったので読んだことがありませんでした。画を描いている佐々木マキさんはとっても好きな作家なのですが、それがあっても魅力を感じなかった。おとうさんごめんね。
こんなに奇妙だったのね。
なんとも整理の着かない不思議な話。
あってもおかしくない。
あり得なくはないと思ってしまうのはなぜだろう。
結末がわからなくてモヤモヤします。
けれどそれが人生だよなと思うこの頃なので
そっちの方がリアルで好きです。
『おとうさんがいっぱい 』
三田村 信行 (著) 佐々木 マキ (イラスト)
2003年 理論社(初版1975年)
昭和に誕生した恐怖の短編童話。
怖がりの私のぎりぎりをいく奇妙な物語。
子どものころに読んでいなくて良かったあ~
平成の子ども達が(令和の子はまだ赤ちゃんなので)これを読んで果たしてどう感じるのか?ホラーや血の出るアニメに見慣れて免疫いっぱいの子どもが多いですが、これはそういうのとは違う怖さです。
あの頃の街の雰囲気。
大人と子どもの世界がきちんと別れている日常。
昭和の時代に子どもだった私たちが感じるノスタルジー。
そして当時のおやじたちの感じが満載。
だから
私たち昭和世代が
責任を持って読むべきものだとさえ思うのです。
子ども達に読ませるならたっぷりと演出をして
そっこり見えるように隠しておく。
「パパこの本なに?」
なんて言われて
「そ、それは・・・絶対に読んではいけない。」
とか言って・・・・
子どもは読んでしまう。
その夜子どもは・・・
「ぱぱ~。ちゃんといる?」
(五話収録)
ゆめであいましょう
どこへもゆけない道
ぼくは五階で
おとうさんがいっぱい
かべは知っていた
最初の三話が特にスキ
どれも終わりが・・・悲しすぎる(; ;)ホロホロ
読んで頂きありがとうございます。