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大人へ絵本memo ~ホラーは見ないけれど宮沢賢治の怖い話は漫画のおかげで読めました~
怖い話が苦手。映画も小説も漫画も見られません😭
今まで見た怖い映画は四つ。
忘れたいのに忘れられません。
「ミザリー」
「キューブ」
「ヴレアウイッチプロジェクト」
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」
画像を添付するのも嫌です😭けれどたぶん、
好きな人にとっては怖い内に入らないんでしょうね(笑)
↑↑↑↑四つめはタランティーノ監督。
彼の他の作品は好きです。中でも↓↓↓↓
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「トゥルー・ロマンス」
は~い。この映画は好きです。
クリスチャン・スレイターが
THE BLUE HEARTSのヒロトに似ているなあと思って、
そうだと思い込ませて見ていました(*^_^*)
夢に出てきて眠れなくなって、悲惨な目に遭うことを怖い話のせいにして、挙げ句は「一生忘れなくなってしまう自分」に根を持つ。こんなことなら怖いものには触れない方がいいのです。(真剣)
そんな私が言うことなので、宮沢賢治のこの物語を怖いと表現するのはちょっと違うのかもしれないのですが、、、、
何度か文庫本で読もうとしたときには、想像が膨らんで、恐ろしい景色が浮かんで読み進めることが出来ませんでした。
なので漫画にして下さった、ますむらひろしさん!ありがとうございます。
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『やまなし/ひかりの素足』
ますむらひろし(作画) 宮沢 賢治(著)
2015年 ミキハウス
こちらの「ひかりの素足」の方です。
一郎と楢夫の兄弟が吹雪の中で遭難するお話。遭難する前の雰囲気からもう怖いです。そしていつのまにかの地獄なのです。その景色の長いこと。つらいこと。文章だけではとても耐えられませんでした。けれども画家ますむらさんのイラストによっていとも簡単に恐怖を越えて宮沢賢治の世界に入ることが出来たのです。
怖い怖いと言ってしまっていますが本当は、、、
美しいのです。涙がこぼれました。
妹トシの死を受け止めざるを得なかった25歳前後の賢治が書いた作品。
苦しくて美しいのです。
優しくて切なくて宇宙を感じるのです。
兄の優しさが束になって死の恐怖から救い上げていくさまが、宮沢賢治の本当の書きたい物語を強烈に読者に手渡します。
そして素晴らしいのが、ますむらさんのあとがきです。画にするまでの探求と苦悩や難問への葛藤が詳しく表現されている。宮沢賢治の研究は無限にあって、まるで有名な絵画を視るように、どこから手をつけたら良いのかわからなかったので、ますむらさんの解説がとてもありがたいものでした。
それにしても賢治さま。
これを童話と名乗り子ども達に知らせることは賢治さまの本意なのでしょうか。生前には出版されていないようなので気になります。当時ならばこの世界を子どもが理解したのでしょうか。それとも子どもだけが理解者だったのでしょうか。
もうひとつの「やまなし」はずいぶん前から国語の教科書に載っているので、なじみ深いお話です。
「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」
サワガニの兄弟の目線。
容赦ない生死の境についての恐怖と興味。
六年生の娘は最近授業で習ったので音読をしながら妙を得たことを言いました。
「ねえママ。クラムボンが何かって知っている?みんながその事をずっと考えているって賢治さんに教えてあげたいね。もう100年近く、クラムボンて何なのかを考えているんだよって、私は宮沢賢治に会ったら教えてあげたい。」
ほんとに、、、これほどまでの人がいるでしょうか。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
もうひとつ同時に刊行されていたのが
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『オツベルと象・虔十公園林』
ますむらひろし(作画) 宮沢 賢治(著)
2015年 ミキハウス
「オツベルと象」
商人オツベルが迷い込んできた白い象をだまして働かせるお話。
「虔十公園林」
皆から馬鹿にされるような虔十が、ある日とつぜん七百の杉の苗を買ってくれとねだるところから始まる壮大な愛の歴史の物語。
↓↓詳しくはこちらで書いています。
ますむらさんの作品を始めは、なぜネコなんだ?と思いながら読み進めたのですがとっても素晴らしい絵画で漫画で感動いたしました。自分が感じ得なかった感覚が創造されていました。どうりでますむらさんと言う方はネコの画家さんなんですね。たくさん拝見したくなりました。
出版社からの紹介より
1985年公開の劇場用アニメ「銀河鉄道の夜」で話題となった、ますむらひろし氏の描く美しいコミックスで宮沢賢治の名作が楽しめる大人にもおすすめの作品です。
漫画から読み始めたらどうなのだろう?と興味が湧きました。このような本がきっかけで、宮沢賢治を読む子が増えているのかもしれないですね。
ご覧いただきありがとうございます。