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パンク婚活:世紀末デコ車映画で婚活がうまくいった話
エッセイです。
最近旦那さんがパソコンゲームの「サイバーパンク2077」にハマっています。
パンクつながりで? 私はふと「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を思い出しました。
周りでは有名な映画ですが、知ってますか? 「北斗の拳」はさすがに知ってるでしょう。「お前はもう死んでいる」ってやつ。あんな感じの荒廃した、砂漠化した近未来が舞台です。鉄の棘や人骨で飾り立てた要塞みたいなトラックやらバイクやらがたくさん出ます。砂漠を爆走してます。そこにすずなりになった白肌スキンヘッドのならず者どもが、「ヒャッハー!水だ水だァ!」と水を奪い合う。ガソリンで火を吹く。そんな映画です。大体合ってる。画面からガソリン臭と黒煙が香ります。うーん、世紀末。
観ていると、原初的な衝動が、つまり血の中の野蛮人が「ヒャッハー!ガソリンだあ!燃やせェ!ぶちまけろォ!」と叫びだします。実にパンク心に火をつける映画です。
独り映画館を後にした私は多分、確実に世紀末っぽい顔になっていましたね。
「怒りのデス・ロード」を観たしばらく後、私は婚活を始めました。仲人さんに「オタク趣味は隠すな。出していけ」と言われていました。
そのせいか連敗続き。30人に申し込んで、10人に会って、いやぜんぜん決まらない。
そして11人目。東京駅の虎屋カフェで、お見合いをしました。服も心もよそ行きにして、メイクも垢抜け感を大事にしたりして、行きましたよ。
そして聞かれました。
「お好きな映画は?」
それ聞くの? そしたら答えるしかありません。
「マッドマックス 怒りのデス・ロードです。」
もちろん、感想も忘れません。
「世紀末感と、パンク感と、命の軽さがいいですね。」
間がありました。これは外したか。
「ちなみにお好きなゲームは? ゲームとかはやりますか?」
よしよし、まだ大丈夫。
お嬢様風の綺麗めワンピを着て、セイロン紅茶を丁寧に飲みながら、私は答えました。
「Wizardryが好きですね。」
Wizardry。それは、レトロゲームの代名詞。陰鬱で魔物だらけの迷宮にひたすら潜り、キャラクターは死んだら終わり。生き返らない。そういうゲームです。死と隣り合わせの一攫千金。これもある意味パンクです。
相手の方は机に突っ伏しました。ジャブが強すぎたんでしょうか? だから仲人さん、隠したほうが良くないですか? と聞いたのに。
またダメか。やはり一般受けする、女性らしい趣味じゃなきゃ、受け入れられないんじゃないか。オタクは結婚できないんじゃないか? と虚しくなってきました。
相手の方はしばらく無言で、それからプルプルしてきました。
そして、絞り出すように
「なんでそんなに趣味が合うんだ…」と言いました。
えっ、これはOKなの?
「『怒りのデス・ロード』、忙しくてまだ見れてないんです。一緒に行きませんか?」
マジですか。
そういう人もいるものか。
これが旦那さんとの馴れ初めです。
割れ鍋に綴じ蓋、数撃ちゃ当たるもんですね。自分を隠して婚活する必要はない。仲人さんの言うとおりでした。
合わない人と結婚して、無理に合わせて生活するよりも、合う人が見つかるまでトライ&エラーすればいい。
人間様々。めげずに探せば、合った人はどこかにいるものだと思いました。
婚活アドバイスと仲人さん紹介
オタク、うつ病、アラフォーでも、婚活がうまくいった。じゃあ何が大切だったのか? というお話を、別記事にまとめました。答えは「不安」のコントロールです。
婚活に悩んでいる人は、参考にしてください。