Dryophyllumの謎"On the morphogenus "Dryophyllum"
北半球のユーラシア大陸東部から知られている,古第三紀植物の代表格に,ドリオフィルムがある.Dryophyllumは,BerryophyllumとCastaneophyllumに一部が,分離されているらしいが,その実態は明らかではなく,ほかの属や科の植物と同一視されてきた背景がある.アメリカの偉大な化石植物学者ベリー博士などは,テネシー州近辺から産する初期始新世の貴重な保存良好な含化石泥岩からの古代のブナ科を主に,ドリオフィルム属やほかのものと同定したが,これも再検討する必要性がある.ドリオフィルムは,一番文献学で恐れられているらしい「伝線中に解釈が誇大される」被害を被ってきたかもしれない.中国のドリオフィルムと,欧州のドリオフィルムはまた違うらしい.どうも,中国のドリオフィルムは,米国北東部のドリオフィルムとよく似ている.しかし,欧州のオリジナル文献のドリオフィルムなどは,すこし,ちがってきており,1980年代後半の文献により,クルミ科の単葉ではないかという説まで出てきている.これは,興味深いテーマである.
引用されるときは,Watanabe (2021) とお書きください.
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