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ある夜の瑠璃色の空に
ある山の頂上にそこはありました。
星と月の美しい瑠璃色の空にでした。
そこには月を見ている女性がいました。
何故か寂しそうに見えて声をかけました。
「こんばんは。お邪魔してしまいましたか」
すると、女性は何も言わず首を横に振りました。
「月をみていたんですか…綺麗な月ですね」
また女性は何も言わず頷きました。
「ここから見る月も星も、朝陽も夕陽も綺麗ですね」
すると、女性は少しこちらを見て頷きます。
「一緒に見てもいいですか」
と尋ねると、驚いた様にまたこちらを見ています。
「ほら、こっちが綺麗かな、一緒に見ましょう」
と手を伸ばすと女性は、こちらを少し見やり、少しだけ微笑いました。
そうして、夜空を見ていました。一緒に。
ゆっくりと夜は過ぎていきます。
「一緒に見ると、また違う景色になる」
と、女性は呟くように言いました。
不思議なのは、心か…。
そんなお話です。