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加虐と被虐はうらおもて… 日刊ねこvol.7

甘えんぼうすぎる4歳の元保護猫と、うつで引きこもりがちの乳母(わたし)のやさしい共依存ライフ。陽気な彼氏もいます。

猫のことを溺愛している。
でも、猫の気持ちを完全に理解することは不可能だ。

分かり合えないという前提に立っているからこそ、私たちは少しでも近づこうと努力できるし、相手に自分の気持ちを押し付けすぎないコミュニケーションが取れるのだと信じてこの数年を生きてきた。


その上で、だ。
そうと分かっていても良かれと思って行動してしまう時が人にはある。これは私や身の回りの人々の「猫に良かれと思っていたら大違いだった」案件を書きまとめてみた。

ケースその1

我が家では自動給餌機(フィーダー)を使っている。1日数回に分けて、猫のご飯を時間通りに出してくれる便利な代物だ。

しかし、我が家の猫はそれでも足りぬと毎日憤怒していた。
毎朝ヤスリのような舌で飼い主ふたりを舐め回し、もっと食糧をよこせと激しめの主張が絶えなかった。

同居人としてはたまったもんじゃない。頼むから寝かせてくれ、いや寝かせてください。こればかりは勘弁してほしいと毎日思っていた。

そんなミスコミュニケーションの日々に、終わりが訪れたのは唐突だった。

同じく同居している私の彼氏が「なんかフィーダーからカサカサ音がしている」と言い始めたのだ。確か引っ越しを機にした時だったと思う。

「じゃあ、たまにはフィーダー洗おうか」と彼氏がそれぞれの部品を解体し出した瞬間。Gが2匹、手の届かない部分に潜んでいたというのだ。

1匹は元気にカサカサ、もう1匹はすでにお亡くなりになっていた状態だという。

何その恐怖体験!?幸い私はその場にいなかったのだけど、流石の陽気な彼氏もこれには肝を冷やした様子。

そして何よりかわいそうなのは、間接的にでもご飯を共有していた(?)猫の方である。これまで毎日騒いでいたのも、猫にしか聞こえないラップ音がフィーダーの奥から聞こえていたからだったのかもしれない。

それをきっかけに、私たちはフィーダーを買い換えた。

同時に、説明書に記載されていた通りにご飯の量を増やしたら、そこからぱったりと猫によるご飯の要求は消えてしまった。

私たちは猫に虐待されていると思っていたけれど、ところがどっこい、虫害と量の2方面から猫のことを虐待してしまっていたと言わざるを得ない状態だったのである…(つづく)

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