![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61626096/rectangle_large_type_2_f96d0c98990dc297f5258e9f537fbf0f.png?width=1200)
屋内植物のための光環境評価に向けた波長別光環境解析に関する研究
論文が公開されましたので、紹介します。
建築分野で用いられ始めた分光放射照度のシミュレーション(ALFA, solemma)を応用し、3Dモデルを活用した屋内植物のための詳細な光環境評価の方法を提案しました。
これまでの建築環境学の対象はヒトであり、人体とそれを取り巻く環境の間の物理現象を解くことで環境評価をしてきました。本論文では、緑が積極的に建築に計画される昨今の状況を顧み、建築における第2の主体としての植物の生理に基づいた環境評価手法を示しました。光合成との相関が高い指標で建築の光環境を予測・評価できるようになりました。実測値と計算値の比較による精度検証を行い、高い予測精度が得られることを示しました。
本研究は農学との境界領域にあり、示した手法は温室などの園芸施設の環境評価に応用することも可能です。建築分野ではごく一般的に用いられる3Dモデルを用いたシミュレーションも、農学分野ではさほど馴染みが無い印象があります。農学と建築学で知見を交換し合うきっかけになることも期待しています。
論文は2021年3月に日本建築学会環境系論文集に公開され、2021年9月にその英文翻訳版がJapan Architectural Reviewに公開されました。いずれもオープンアクセスであり、どなたでも閲覧できます。よろしくお願い致します。
■論文の情報
英語版(Japan Architectural Review):
http://doi.org/10.1002/2475-8876.12246
日本語版(日本建築学会環境系論文集):
https://doi.org/10.3130/aije.86.337