熟成ブルゴーニュ会レポート&裏マリアージュ・セレクション
先日は頂き物の熟成ブルゴーニュを利用しての久しぶりに自分主催のワイン会を開催。会場は飯田橋にある欧風家庭料理屋ワインバー蓮さんで、ワインエキスパートの所持者がゴロゴロいるなにやらマニアックな集まり。
供出したワインはこんな感じ。
-白ワイン-
De Aureo Spirito Montagny Premier Cru 2014
オーレオ・スピリト モンタニー プルミエ・クリュ
Vaucher Père & Fils Puilly- Fuissé 2015
ヴォーシュール・ペール・エ・フィス プイイ・フュイッセ
Vaucher Père & Fils Chassagne-Montrachet 2015
ヴォーシュール・ペール・エ・フィス シャサーニュ・モンラッシェ
-赤ワイン-
Vaucher Père & Fils Bourgogne Rouge 2017
ヴォーシュール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ・ルージュ
Vaucher Père & Fils Vosne-Romanée 2016
ヴォーシュール・ペール・エ・フィス ヴォーヌ・ロマネ
Jean-Claude Sabre Gevraiy-Chambertin 1er Cru Craipillot 2013
ジャン・クロード・サブレ
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ クレピヨ
実はこのワイン、オーレオ・スピリト、ヴォーシュール・ペール・エ・フィス、ジャン・クロード・サブレの3生産者の物だけど、元締めのネゴシアンは同じところで、フランスでも5本の指に入るいわゆる大手ネゴシアンの傘下企業です。
最初はモンタニーのプルミエ、ブルゴーニュでも中級品がメインのエリアであるコート・シャロネーズ地区のワイン。ブルゴーニュのシャルドネらしく、綺麗な酸を生かす造りで過剰に樽熟していないタイプで、適度な爽快さと濃厚さでスッと飲めてしまう。
2本目はブルゴーニュでも普及品がメインのマコネー地区のプイイ・フュイッセ。普及品のエリアとはいえ、その中でも最上のクリマで造られるシャルドネが原料。造り手によってはコート・ド・ボーヌを震え上がらせるワインが造られるエリア、興味がある方はコルディアやヴェルジェあたりの物を飲んでみるのがオススメ。
ちなみにモンタニーのプルミエとプイイ・フュイッセだと、順番が逆に感じる方もいるかもしれません。ここ実は難しいところで、BLEACHの護廷十三隊的に言うと、一番隊の副隊長(雀部長次郎忠息)と八番隊隊長(京楽春水)はどっちが強いみたいな比較、え!余計わからない?
要は直接比較するのが難しい2本という事、今回は3本目のシャサーニュと同じ造り手という事でこの順番にしてみました。
3本目はブルゴーニュでも高級品の生産地、コート・ド・ボーヌ地区の銘醸地、シャサーニュ・モンラッシェ村産のシャルドネで造るヴィラージュ・ワイン。前に2本に比べると酸の綺麗さは同じ感じでも、ミネラルのふくよかさと余韻の長さは違う印象で造りの丁寧さが感じられるワイン。
赤ワインの1本目はブルゴーニュのエントリーワインであるACブルゴーニュ。ピノ・ノワールの特性上(実が大きくて水分が多い)なかなかこのクラスだと良い物を探すの難しいのですが、こちらは軽快でありながら、タンニンも上手く引き出している感じで、なかなかのバランスを見せていました。
赤の2本目はACブルと同じ造り手でながら、アペラシオンはブルゴーニュの高級品のエリア、コート・ド・ニュイ地区の銘醸地ヴォーヌ・ロマネ村産のピノ・ノワールが原料のヴィラージュ・ワイン。さすが格上だけあって、味わいの豊かさや緻密さ、タンニンの滑らかさ、余韻の長さなど良い感じに飲み頃になってきたかなという印象。
最後はヴォーヌ・ロマネ村同様、銘醸地ジュヴレ・シャンベルタン村のプルミエ・クリュ(一級畑)のピノ・ノワールで造られるワイン。元締めのネゴスが一緒とは言え、ヴォーヌ・ロマネとはまったくアプローチの違うスタイル。
こう書くとテロワールだなって思うかもしれないけれど、むしろ生産者のアプローチ違い、要はヴォーシュールのヴォーヌ・ロマネはどちらかというと今風のモダンなスタイルで除梗率は高めの早く飲めるタイプ、逆にサブレのジュヴレ・プルミエはクラシックなスタイルで除梗率低めの熟成タイプ、正直閉じている感じがするので、もう5年ぐらい寝かしてから飲みたいかなと。※実はもう一本あるので寝かせます
という感じでここまでがワインのレポート。実は当日の蓮さんお料理が素敵すぎて、最近はセカイのイザワが通り名になっていますが、元々、アグレシッヴなマリアージュを狙う事からファンタジスタの異名を持つ僕としては、これは別メニューを考えねばと思いここからはヴァーチャル・ワインリスト。
お料理はこんな感じ。(まささん写真お借りしました)
一品目の見た目も美しいグラスタブレ、フルーツや野菜の乗る冷菜には、同じく爽快な味わいを生かしたスパークリング、もちろんシャンパーニュも良いんですが、明るい太陽を思わせる陽気なキャラのスパークリング、近年、品質の向上が目指しい南仏のブランケット・ド・リムーなんかがお手頃でオススメ。
二品目は鶏のテリーヌと最中に入ったあん肝のチーズパテが目を引く前菜盛り合わせ。この最中が一瞬何?と思わせるところがポイント。合わせるワインはテリーヌやパテの芳醇さと合わせながらも後口を爽やかにする酸を持ったワインがオススメ、となるとアルザスあたりが選択肢になるけど、リースリングだと酸が勝るし、ゲヴェルツだと旨味が勝るので、ここはピノ・グリをセレクト、ツイント・ウンブレヒトやマルセル・ダイスあたりならもう涎もの。(笑)
三品目のゴルゴンゾーラのリゾット、スミマセン書いててお腹が空いてきました。ゴルゴンゾーラという事でバローロ当たりの赤という考えも、こってり味のリゾットに旨味たっぷりのカリフォルニアの樽シャルドネという考えもあるかと思いますが、ここは白ワインからメインへの流れを考え、またゴルゴンゾーラの風味を生かすという事でロゼワイン、モンテプルチアーノで造られるチェラスオーロ・ダブルッツオをセレクト。マシャレッリあたりが価格とのバランスが良いかなと、でも最高峰はヴァレンティーニ、ああ飲みたい。
メインは鹿のロースト、実はこのソース、チョコレートベースとの事、素敵すぎる!肉質のしっかりした鹿肉という事でボルドーやローヌの選択もあるかなと思いますが、チョコレートベースのほろ苦さと薄甘さを生かすにはもうひとひねり必要だと思うので、ここのセレクトはイタリアの至宝アマローネ・デッラ・ ヴァルポリチェッラ。アマローネのバックグラウンドに感じられる甘美さとの相乗はこれこそマリアージュ、マージでもベルターニでもアレグリーニでも何でも持ってこい!
スミマセン興奮し過ぎました。
あくまでヴァーチャルですのでなんですが、このセレクトはかなりイケてると思います。ザ・自己満足(苦笑)