傷と変死体
過ぎし母の日。わたしは母親に表参道にありますナンバーシュガーというお店のキャラメルをあげた。
かわいいしおいしいし、今のこの状況で期間限定でネットショップやってるから、この記事を読んだならぜひ取り寄せよう。
でも今日はキャラメルの話はしない。
母の日に、Twitterで「#うちの母のここがスゴイ」というタグが盛り上がった。
わたしはよっぽど、自分の母についてツイートしようかと思ったんだけど、機を逃して結局ツイートできずじまいだった。
わたしの足には、うっすらではあるが生まれつきの痣がある。
わたしの足には、幼少のみぎり古の湯たんぽ(マジで金属のガチのやつ)で低温火傷を負った傷痕がうっすら残っている。
別に、大した痣や痕ではないし、そんなに目立つ場所にあるわけでもないし、わたしはミニスカートをはいたりはだしになったりすることに躊躇はない。
つまり、その痣や傷痕を気にして引っ込み思案になったり、気に病んだりしたことはない。
でもこういうのって、たぶん親のほうが過剰に気にしちゃうんだろうね。
うちの母は特に、女の子なのに……みたいな気持ちがあったみたいだ。
で、まあ、特に気にもしていない娘に慰めの言葉をかけるわけですわ。
「まあでも、これであんたがもし身元不明の遺体として打ち上げられても、ここに痕があるからあんたって分かるね……」
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身 元 不 明 の 遺 体 ?
母が、まったく悲しんでもいないわたしのために一生懸命考えてくれた慰め・励ましの言葉なのだとは思う。
でも、なんか、もうちょっとなんていうかその、ねえ。
なんで娘、身元不明の変死体になってしまうん?
そもそもDNA鑑定とか歯形鑑定とかいろいろあるじゃん。
なんでそんなアナログな手段で娘特定しようとする? 娘、死んでんのになんでそんなのんきなこと言う?
いや死んでねーわ。
バリバリ生きて働いてお金稼いで同人誌つくってヒプマイの音ゲーやりまくってるわ。
そんな母ももうすぐ赤いちゃんちゃんこを着るような年齢になる。
よくよく考えたら、情勢乱高下みたいな人生を送ってきている人だ。
末の弟ももうすぐ独立する。(ほんとうに?)
ゆっくり、人生の余白を楽しんでほしいな、と変死体で発見される予定の娘は思うわけである。
まあ、病院以外の場所で死んだら自然死でも警察来るし……。