大崎善生さんを偲ぶ

29歳でA級在籍のまま亡くなった故村山聖八段の生涯を小説にした
代表作「聖の青春」は大崎善生の作品で、今も時々思い出す。
村山聖さんの命日は覚えやすい8月8日だ。

大崎さんは、確か学生の頃から小説家を志して学習計画を立てて学んでこられて、さぁ、いざ小説を書こうとした時に、書きたい題材が見つからず
小説家を諦めた経歴があると聖の青春で書かれていた。

暇を持て余し?将棋道場に通い、紆余曲折あり、将棋世界の編集者として働くことになった。その縁で、村山聖その師匠森信雄と親交を深め。村山聖が亡くなられた時、森師匠が村山聖の自叙伝を書いてくれる作家がなかなか見つからず、大崎さんが書いてくれるのが一番いいのになと言われたのがきっかけで、正に自分が書くべき題材が目の前にあることに気づかれた。そういう不思議な縁で作家になられた。

大崎さんの作品で、次に思い出すのは
団鬼六を題材とした赦す人だ。団鬼六は官能小説で世に出た作家で
懐が深い人生を歩んだことが分かる。将棋界の旦那衆にもなって
特にアマチュアの将棋指しを支援をした人だと思う。
団鬼六が残した将棋小説では真剣師小池重明が代表作の1つで、
小池重明の波乱盤上の人生を見事に描き切った。
そういった団鬼六の生涯を偲ぶ小説だった。

自分は将棋を指すのも好きだか、読むのも好きだ。
将棋で勝つというのは本当に大変なことで、そこにはドラマが生まれる。
大崎さんは将棋小説の面白さを教えてくれた人だと思う。
聖の青春の素晴らしさは20年経った今も色褪せない。不朽の名作だと思う。

大崎さんが亡くなられた8月は私にとって、また思い出すことが多い月になりました。ご冥福をお祈りします。




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