バブルの頃#177:東証二部上場

ITバブル期にシステムインテグレータ、業界ではSIer(エスアイアー)に転職しました。3年後に会社は計画していた東証二部上場を果たしました。ところが、多くの社員は幸せになりませんでした。上場すると会社は、株主/経営者と社員のどちらの利益を重視するかということをOJTで勉強させてくれました。株屋さん出身者が経営する会社が、社員の側に立つわけがないと想像できますが、実際に資本の論理を見せつけられると、愛社精神とか事業計画達成とかが、社員の幸せにつながらないのではないかと、疑いはじめます。少なくとも、ヒトは、会社の3大資産のひとつといわれているので、社員を大事にすると期待しますが、この会社は上場で変わりました。
そこで、「株屋さん経営者集団というものはSEの小僧たち以上に人間味がない」と評価し、リストラ前に逃げ出して、持ち株利益確定売りをしようという結論に達しました。

このまま会社に残っても、得にならない、がまんがならない、そして何よりも「名を惜しむ」者などが集まり、小さな「シャドーキャビネット」をつくりました。雇用されている会社に対して経営改善の提案は時間の浪費と判断しました。これから日本市場でマーケティング活動を考えている米国企業(スタートアップの会社)、または日本法人を設立したがうまくいっていない会社などをターゲットにして、日本市場で商売をするのに必要な企業風土を理解し、人脈をもち、成功体験をもっているマネージメントチーム(シャドーキャビネット)をセットで売り込むことにしました。

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平史理 taira fumitoshi
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