金言288:いつの世にもある天下り

天下り、独立行政法人、官製談合、下請けへの丸投げ、と、高級官僚が代々公然と継承し享受してきた甘い蜜ですが、東京2020ではIOC、JOC、組織委、広告代理店も仲間入りしていました。

かつて、田中角栄氏が逮捕されるまで、政治家や高級官僚などの国家公務員は特権階級の待遇を受けていましたし、それを国民は既成事実として認容してきました。それがいまや、適法な政治活動では生活レベルを維持できないとして、政治家を廃業する芸能人まで出てくるほど変わりました。

団塊の世代では、高級官僚や民間の経営幹部なったひとたちが官憲の餌食になりました。この人たちの親の世代は、天下りの特権を公然と楽しんでいたのですが、その子どもたちは、親と同じようにはいかなくなりました。子どもたちは親がやってきたことを今までどおりに仲間内で踏襲してきただけなので、世の中の風向きが変わったことに気がつくのが遅れました。捕まって初めて気がついたはずです。

易経に「窮すればすなわち変じ、変ずればすなわち通ず」とあります。世の中が天下りを黙認しなくなったので、コロナ禍で少し窮しはじめた高級官僚たちは、生き残るためにはどう変ずるか、その結果が少しずつ表に漏れ始めています。

いいなと思ったら応援しよう!

平史理 taira fumitoshi
いただいたサポートはこれからやってくる未知のウイルス感染対策、首都直下型大地震の有事対策費用に充当します。