金言285:制服マジック
近頃の「制服マジック」をご存知でしょうか。
ある投資アドバイザーがこのようなことをいっていました。
「仕事のユニフォームを着るとその気になり俄然やる気が出るとか、そういったポジティブな意味ではありません。これは主に女子高生を対象に使われる言葉です。制服を着ていれば、公の場で非常識な行動をしても「個人(=自分)」ではなく「女子高生」そのものが責められる、という大人の深層心理をついた、彼女達の知恵です。例えば同じギャルでも、私服と制服では洋服屋の店員の態度はガラリと変わります。」
服装によって周囲に与えるインパクトが変わり、本人の気持ちも周囲の評価に同期するようです。
1)小指のない中年男性
電車の内で、前に座っている男性の服装がなんとなく周囲と比べて違和感があったので、どこが違うのだろうと興味をもちました。そこで足元から茶髪の頭までゆっくりと眺めました。そしてよく手入れされたきれいな指が気になったのでもう一度左手を見ました。なんと小指の第1関節以下がありませんでした。すぐ視線をずらしました。右手も気になったので、時間をおいてチラッと見てしまいました。右手の方もありませんでした。「どこ見てんのよ!」と毒づくお笑いタレントのような「突っ張り感」はまったくなく、きわめて温厚な中年男性のような雰囲気です。ただし、周囲の乗客がすぐ気がつくように故意に両手を開いて座っています。
こういう身体的特徴を持った人には、平凡なサラリーマンのようなスーツ姿は似合わないと思いました。
2)社内で一人だけ蝶ネクタイを着用する人がいる会社
昨今、弊害が指摘されがちな同族会社とかワンマン経営者のいる会社にかぎってよく目にすることがあります。それは、トップがひとりだけ蝶ネクタイを着用していることです。不思議なのは、ボスの真似をして歓心を買おうとする従業員でも蝶ネクタイ着用は控えていることです。ボスの話し方や考え方を積極的にコピーしますが、従業員にとってボスの特異なパフォーマンス(従業員との差別化をねらった服装など)を真似することはタブーなのかもしれません。
3)長髪のアーティスト
クリエイティブな仕事をしている会社にいるアーティストも、クリエイティブではないスタッフと自分との違いを明示するために、特異な言動や服装をする人が多そうです。お約束のように、長髪(たまにスキンヘッド)、ひげ、指輪などで外形的にも差別化をねらっています。電車のなかで指を開く「怖いお兄さん」のようなもので、周囲がすぐわかるようなパフォーマンスをします。一流ホテルの従業員のようなヘアスタイルで、ギネス登録の大型チェーン店で売っているようなビジネススーツを着たら、たとえ優れたクリエイティブな仕事をしても、周囲はその仕事の価値に気がつかないことでしょう。
4)サンダル履きで飲み屋に行くのは危険です。
特異な身なりや言動は、周囲との差別化をはかる上で必須な仕掛けです。周囲の人たちは、本人そのものではなく、特異な身なりや言動のなかに、自分たちとは違う才能や立場を認めているわけであります。サラリーマンが怖いお兄さんの身なりをしたら、サラリーマンを続けていくことが難しくなってしまいます。サンダルを履いて飲み屋に行くと、ハドメが効かなくなる恐れがあります。
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