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hukugyouotaku
ため息436:創業者のブラックボックス
社史
企業が50年、100年と存続していくと、社内で社史編纂が記念行事のひとつに加えられます。大手印刷会社には、得意先の社史編纂を請け負う部門があります。現在の職場の基礎となった過去の功績や出来事を学び、現在の社業に励むための教訓が社史に記録され、将来へ伝えられます。
適正評価手続(due diligence report)
企業の吸収・合併などでオーナーが替わると、あらたに創業時から社史編纂をすることは難しくなります。新しい大株主にとっては、取得した企業の創業以来の歴史より、現在と近未来の商売を法的に拘束する過去の商慣習・約束事や契約、負債などが気になります。
M&Aの際は、適正評価手続(精査)が行われます。ここで、グローバル企業なら、各国に調査員を派遣して、徹底的に対象企業の中身を調べます。その結果、隠れた瑕疵が見つかると、M&Aは不成立となりますが、精査した資料(企業秘密を含む)の内容は、M&Aを仕掛けた当事者に伝わってしまいます。そして、創業者のブラックボックスがなくなりますので、その時点で企業は、コーポレートイメージの変質を避けることができなくなります。
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