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金言563:広尾の清水さんと青山の田中さん

東京の広尾にあるマンションの大家さんと、青山にあるマンションの大家さんがよく当時の職場に遊びにきてくれました。なにしろ、大家さんたちは、今日は何をして暮らそうかと朝から悩んでいる人たちですから、何かのきっかけで気にいると、毎日お誘いがかかります。会社の駐車場に赤いフェアレディがあると、お二人が現れ、ランチとなりました。

広尾のマンションの大家さんは、audiに乗っていてお仲間から「アキラ」とよばれていました。青山のマンションは田中さんで、淡いグリーンのキャデラックに乗っていました。
六本木・赤坂あたりでおいしい酒を飲み、高輪にあった戸建ての中国料理古稀殿で好物の五目堅焼きそばを食べ、仲間とラジコンヘリの話をするとき、「いいですな」と何回も口にされました。「幸せだな」と本人が感じたとき、「いいですな」という言葉がでてきました。水野晴郎さんなら「映画って本当に素晴らしいですね」というでしょうね。

清水健太郎は、「雀鬼」のシーンで「いいよ」といいます。仲間が持ち込んでくる無理難題を、「いいよ」と二つ返事で快諾します。そして一か八かの勝負では、楽しくなければだめだといいます。ハイリスク・ハイリターンの案件を、楽しんでこなすところに、「いいよ」という一言がうらやましく聞こえてきます。ドラマの飲食店で裏メニューになくても「あるよ♪」とつぶやく俳優もいました。

アキラさんは、相手を受け入れているときに、「いいですな」と相槌をうちました。仲間が何かをするとき、自分の肯定的な気持ちを「いいですな」で表現します。
振り返ると、何かをするとき、いつも「いいですな」とやさしく背中を押されてきたような気がします。これでもかと次々に発生する困難な状況に直面したとき、楽しくしのげるように、これからもそしていつまでも、「いいですな」と、やさしくつぶやきたいものです。

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平史理 taira fumitoshi
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